自然の中で、時計の針がゆっくりすすむカフェ/

道の駅とみうら 枇杷倶楽部・Dining cafe (南房総市)

公開日: 2018年10月05日

高速バス停留所「とみうら枇杷倶楽部(びわくらぶ)」の道路をはさんで目の前にある「道の駅とみうら 枇杷倶楽部」。“南房総のランドオペレーター”として、首都圏からの来訪者の玄関口になっています。入り口付近からビワソフトクリームなどのテイクアウトコーナーや買い物スペース、魅惑的な空間が目に入ってきます。でも、さわりだけにふれて満足して帰ったらもったいない。奥に進むと、四季折々の目にも鮮やかなガーデンと川の流れのゆったりとした景色が楽しめる、広々スペースのカフェ「Dining cafe(ダイニングカフェ)」があるのです。「道の駅とみうら 枇杷倶楽部」開設当初の25年前から働くレストランマネージャーの粟田由美(あわだゆみ)さんにお話を伺いました。


川べりでゆったり流れる川を眺めながら…


「道の駅」とは市町村からの申請に基づき国土交通省に登録された施設です。ここ「道の駅とみうら 枇杷倶楽部」は千葉県内で第一号の道の駅。2000年にはグランプリも受賞しています。ゆったりとした川の流れがあり山が見え、作られていない自然のままの土地を生かしたいと候補地からこの地に選定されたそう。旧富浦町から発足していることもあり、道の駅の特徴のひとつでもある「地域連携」機能に、とくに重きを置いていました。そのため「100年以上続くビワの産地である旧富浦町のビワをつかって何か作れないかという思いが当初からありました」と粟田さん。


とみうら枇杷倶楽部は、いまや南房総の玄関口のポジションを確立しています。「高速バスを降りた瞬間、“なんだかホッとする”。自然が目に飛び込んできて空気がおいしく、首都圏からこんなに近くに?という気づきがある」。たくさんの訪問者を見てきた粟田さんだからこそわかる、バスで南房総にやってくる人の気持ち。都会で暮らしていると、その流れの速さに気づきにくいものですが、ここに来ると時計の針が急にゆっくりと時を刻み始めたような感覚になります。


想定外の役割も、やらなくては! 開設当初のスタッフの気持ち


Uターンして働き出した粟田さん。開設当初を振り返り、スタッフが立場に関係なく意見交換をし何足ものわらじを履き大変だったけれども、やりがいがあったと語ります。ツアーバスを呼び込んでいたので、当時は観光でやって来たバスに乗り込み、この地域の魅力を伝えるガイド役までつとめたことも。それでも、スタッフみんなが楽しみながら道の駅づくりに関わっていたそうです。


移りゆく四季の中、花々を自然に近い形で楽しませてくれるガーデン


植物の知識や経験に富んだ専属スタッフが、種から育て、すべて手作業で肥料を配合。四季の花をとりいれ、なかには手に入りにくい珍しい花も。想像力をかき立てるようなガーデンづくりに取り組んでいるそうです。それでいて作り込まれたガーデンという印象ではなく、自然にまかせているような花々だと感じるのです。




名前を覚えきれなさそうなほどの花の種類や知識。これらをスタッフはノートに記して、共有しているといいます。当初は花々にふだを立てていましたが、お客に「この花なんですか?」と聞いてもらい、そこから会話が生まれるように今はあえてふだは立てていないそう。景観が広く見渡せるひらけたガラス張りの構造も、室内でガーデンを楽しむのに一役買っています。


“気づいたら多くの時間ここにいた”心地よい時間の流れがあるスペース


最近は安房エリアでも、自由に座れるスペースのある道の駅が増えましたが、私の記憶ではここがその走り。天井が高く広々として開放感があり、時間の流れを忘れてまうほどの心地よさ。カフェは奥まったスペースにあり、地元の常連客からも「こんなに奥に、こんな場所があったのね」と言われるそうです。ひとりの時間を過ごしたいというお客にもマッチし、「ここで座って待っていてもいい?」などと、気軽にスタッフに話せるような自然な空気感も。置いてあるソファや椅子なども、時を重ねていく中で、座り心地のよいクッション性の高いものなどに変化させていったそうです。そんな細やかな気づかいが、心地よさを生むもてなしのひとつなのだと思います。




またスタッフ自身が楽しんでいることやチームワークのよさは、お客にも伝わり、心地よく感じるもの。私も時の流れをしばし忘れ、気づいたら長い時間を過ごしていました。それは訪れる方の感想同様に決して“ムダな時間”とは思えないものでした。フラッと「お土産でも買おうかな?」と立ち寄ったのに、こんなにも奥が深いスペース。朝から開いていて、いつでも立ち寄れるそんな貴重な場所なのだと思いました。



【店舗情報】
店舗名:Dining cafe(道の駅とみうら 枇杷倶楽部内)
営業時間:9:15~18:00
所在地:千葉県南房総市富浦町青木123-1
TEL:0470-33-4611
定休日:不定休
Web:http://www.biwakurabu.jp

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