ドラマティックでダイナミック。大きな景色に会いたくなったら/

大房岬自然公園 (南房総市)

公開日: 2018年08月29日

“南房総は初めて”という大切なお客さまを、私がいつも真っ先に案内するのはここ、「大房岬(たいぶさみさき)自然公園」です。


同じ風景に身を置きながら、お互いの感動をシェアできたり、ぽつぽつと身の上話が始まったり。短い時間でも心の“距離”がちゃんと縮められる、そんな旅のような時間がここなら実現するから。

 

眺望、絶景、そんな風景にいくつも出合える公園

館山湾と東京湾を分けるように突き出た「大房岬」。東京湾の最南端にあたる洲崎(すのさき)から、対岸の三浦半島までの眺望が得られ、千葉のスケール感をつかむのにはぴったりです。園内をぐるりとゆっくり歩いて1時間、その距離もちょうどいいことですし、少し歩いてみましょうか。



駐車場に車を停め、公園の入り口へ向かいます。さっそく目を奪われるのが、眼下に広がる海の青さ。海は、日によって色を変えます。青緑、群青、鈍い青。その違いは、海中の透明度と、空の青さが関係していると言われています。

 

「歩く」ことそのものが癒しと感じられる時間

岬内のホテルとの分岐を右に入っていきます。ここから先はキャンプ利用者などを除いて、原則「車は進入禁止」。静かな道は、背の高いマテバシイの葉が風で踊る音とキラキラと差しこむ木漏れ日に包まれます。そよ風の日はサラサラと、強風の日は『風の又三郎』の「どっどど どどうど」のように賑やかに。


 

実は南房総市は全国に63ある「森林セラピー基地」(※) に認定されていて、大房岬自然公園はその「セラピーロード」の一つ。自然の中を「ただ歩く」だけで、心身が気持ちよく整い、地に足がついていく…そんな感覚があります。適度な勾配があるのも、セラピーには重要なポイントのようです。

※南房総市「森林セラピー基地」の詳細はこちら

https://www.mboso-etoko.jp/therapy/ 

 

自然体験を求めて、たくさんの人が訪れるフィールド

林間学校として利用されてきた歴史も長い

公園を歩いていると、たくさんの子どもたちがグループで活動している風景によく出合います。というのも、園内には「大房岬自然の家」があり、年間約3万人もの利用者を迎えているのです。運営は、公園と同じ「千葉自然学校」。野外炊飯などの学校団体向けのメニューのほか、自然学校ならではのディープな個人向けツアーが充実しているのが特長です。


公園をフィールドにしている野外保育「森のようちえん はっぴー」。2歳児(星の子クラス)も元気に歩きます


春に必ず来たい「サクラ」の名所

周囲が360度見渡せる「展望塔」の先、サクラ並木をくぐっていくと「運動園地」に着きます。芝生の上でのピクニックやボール遊びにぴったりな広場で、春にはサクラの名所となります。そのときの写真がこちら。


約250本のソメイヨシノやオオシマザクラで、園地が淡いピンク色に


「生き物とふれ合える」環境教育の場にしたい

公園のほぼ真ん中には「大房岬ビジターセンター」があります。スタッフが常駐し、園内の整備やキャンプ場の運営、展示やイベント企画をしています。


公園スタッフの清水さん(左)と山口公園長(右)。ビオトープを始め、生き物とふれ合える場所づくりに取り組んでいるそう

「例えば、枯れ木も虫やコゲラなどの鳥の住まい。安全を確保した上で、『あえて整備しない、生き物のための場所』を作っています」とは山口公園長のお話。 園内すべての園地とキャンプ場の芝生は、除草剤不使用で人力で芝刈りがされているそうです。人が安心して過ごせることはもちろん、公園の“仲間”である生き物たちへの配慮も見受けられます。

 

アカテガニ発見! 森に住みながら、産卵は海で、という大房岬の環境ならではの生き物

 

時が止まるーー要塞だった時代の遺産も

ちょっとユニークな場所をご案内しましょう。戦時中、大房岬は東京湾を守る要として要塞となり、砲台などが配備されました。中でも大規模なのが「探照灯跡(要塞跡地)」。分厚い石に囲まれたそこへ足を踏み入れると、空気の流れが止まり、一瞬ひんやりと感じます。あたかもジブリ作品の『ラピュタ』のような、静かな異界。日常から離れて、少し「籠りたい」気分にぴったりかも。


コンクリートのトンネル、夏は肝試しにもよく使われます。その奥にあるものは…?

 

目の前に広がるのは、まさに「グラン・ブルー」の海

涼しいマテバシイの巨木の林を抜けて、どんどん海へ下ります。太陽の光が降りそそぐ絶景「南芝生園地」へ。芝生の先に海が続き、飛びたくなるような開放感がたまりません。水平線には洲崎が見えます。そのすぐ手前に輝く坂田(ばんだ)の海は、映画『グラン・ブルー』のモデル、ジャック・マイヨールが終の住処として選んだ場所。グラン・ブルー…雄大な青。まさにそんな色をたたえる館山の海が一望できます。


空が澄んでいる日は、伊豆半島の大島や利島も見える

さらに階段を下って、砂浜へ、海についにタッチ! 白い砂浜には無数の貝殻が打ち上がり、タイドプール(潮だまり)には小さな海の生き物たちがたくさん棲んでいます。波打ちぎわで、寄せては返す波に足を浸していると、心と身体に溜まったものをすーっと海が吸い取ってくれる感じがします。


撮影した7月は「ハマユウ」が咲いていました。房総半島が最北という、温暖な海浜に咲く花

  

大きな景色に会いたくなったら、ここへ

大房岬を代表する壮大な風景、「海蝕崖(かいしょくがい)」。岬の南にあたる海岸エリアからは、2千万年前にできたというとんでもないスケールの地層がはっきりと見えます。最後は海岸園地の先のベンチで、このパノラマを眺めながらお茶にしましょうか。


海の中で削られた地層が隆起して、現在の姿に

なんでこんなに大房岬に詳しいかって? 実は私、ここで数年間働いていたのです! 初めて大房の景色に出会った感動はいつ見ても変わらず、新鮮な驚きにあふれています。


大切な人とぜひ、大房岬へお越しください。


【公園情報】

公園名:大房岬自然公園(たいぶさみさきしぜんこうえん)

営業日:通年(インフォメーションセンター、ビジターセンターは年末年始休み/ビジターセンター展示室は月曜休館)

営業時間:いつでも(インフォメーションセンター、ビジターセンターは9:00~16:30)

所在地:千葉県南房総市富浦町多田良1212-29

駐車場:120台

Web:http://taibusa-misaki.jp/(大房岬自然公園)

   http://taibusa.jp/(大房岬自然の家)

Fecebook:https://www.facebook.com/taibusapark/(大房岬自然公園)

         https://www.facebook.com/563731357129556/(南房総で自然体験 野遊び倶楽部)

TEL:0470-33-4551

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