1000年先へのギフト、シルバーアクセサリー造り体験/彫金工房 冨銀(館山市)

公開日: 2018年08月15日

千葉県館山市・那古海岸近くに、「彫金工房冨銀」の工房があります。叩いて純銀を薄くのばすところから、デザインを自分で描き、刻印を打ち込み、硫黄でいぶし、磨いて、洗浄して、ひもを通すというシルバーアクセサリー造りの全工程を体験できます(一部講師の補助で行う作業もあります)。

 

アメリカのナバホ族が古くから親しんでいた、インディアンジュエリーの模様が基礎になっているこの体験。初体験のAWANOライター3人が挑戦しました。三人三様のペンダントトップ造り。レビュー形式でお届けします。

 

【レビューその1】ライターOKAZI(おかじ)編:家族やカップルで! カタチだけじゃない思い出を

刻印「タガネ」のパターンを組み合わせて、デザインを考えます

初めての彫金体験ということもあり、工房では見たことのない機材や工具に、まず目を奪われます。オーナーの出口さんから彫金の仕組みや作業手順の説明を受けて体験が始まりました。


今回造るのは綿ひもペンダントの先にぶら下げるシルバートップで、サイズは人差し指の先にちょこんと乗せられるくらいの小ぶりで軽い作り。ユニセックスな作りで普段付けとしてTシャツやワンピースにとても似合うと思います。

純銀に刻みつけていきます 

純銀の叩き方、平らにするコツや、刻印を打ち込むやりやすい向きなど、熟練の出口さんが実演してくれアドバイスをもらえます。それを手本に自分たちの感覚でコツコツと模様を付け磨いていくと、最後には個性豊かなそれぞれのペンダントができあがりました。

 

真夏の昼間でも室内で快適に楽しい時間を過ごせます。家族やカップルでお互い作りあったペンダントをつけて、そのまま工房前に広がる夕陽が綺麗な那古海水浴場でお散歩をするのがおすすめ。

 

【レビューその2】ライターなべた編:無数のパターンを創り出す、バラエティ豊かな刻印

生まれて初めての彫金体験。テーブルには、丸・三角・ハート・花びら・イルカ・鳥・月など、さまざまな模様が入った、はんこのようなタガネがずらりと並んでいます。なるほど。月の刻印ひとつとっても、大きさが数段階あり刻印の組み合わせで、何通りもの模様を作り出せるのですね。  

これが「タガネ」。先っぽに自然モチーフが刻まれていて、ほとんどが出口さんのお手製

デザインがなかなかまとまらなくて時間がかかったけど、なんとか完成。出口さんの話では、デザインに時間がかかってしまう人、たまにいるそうです。ハハハ…。刻印がずれないように気を付けながら叩き、タガネをはずす瞬間がいちばんドキドキ。そこにくっきり模様が刻印されているのを確認して、ひと安心。このドキドキと安心を繰り返しながら、自分の世界をペンダントに刻みつけてみました。

デザインが決まったら平らなシルバートップに下絵。ここにタガネで刻印していきます

できあがったペンダントに通すCカン(ペンダントトップとひもをつなげる金属)は、出口さんのお手製。ペンダントに付けるビーズも、既製品だと穴が小さすぎて通らないため、ひとつひとつ手作業で穴を広げているとか。材料にも手間と時間をかけているところに、出口さんの想いを感じます。この時間と体験、そして手元に残ったペンダントは、お金に代えられない宝物になりました!

 

【レビューその3】ライター七海編:模様のベースは民俗学的!? 工程は金属の化学反応

「タガネ」の組み合わせでできる、さまざまなパターン 

最後に私のレビューです。まずはシルバーと彫金にかかわる話がおもしろかった! 大航海時代にもちこまれた彫金技術を用いて、アメリカのナバホ族がシルバーアクセサリーを制作。これが現代で人気の「インディアンジュエリー」の始まりです。ナバホ族のジュエリーの模様は自然をモチーフにしたものが多数。それは、彼らが自然に宿る精霊の存在を信じている部族だから。さらに、体験で行われるさまざまな工程は、金属の歴史の話でもありました。最初に聞いたこのお話は、シルバーアクセサリーの裏にあるものが思った以上に民俗学であり化学であることを教えてくれました。

 

出口さんは、自動車の工業デザイナーから転身してこの工房を開いたそうですが、会社員時代には休職して青年海外協力隊員としてコスタリカへ赴任した経験もお持ちです。「大がかりな自動車ではなく、手の中でできるものをやりたくなった。売れれば売れるほど、"本来自然のものを工業製品に変えて量産してしまうこと”にふと疑問を感じた」という転身のキッカケ話に共感しました。シルバーアクセサリーづくりの合間に、今に至る経緯を聞きながら、体験には日常生活では出会わない人と出会えるおもしろさがあることを実感しました。


シルバーアクセサリーは、あるがままの自然に調和するものなのだと知り、"単なるアクセサリー”から"歴史ある技法”という見方に変わりました。すべては冨銀さんでこの体験をしなければわからなかったこと。商品になる前の工程を体験するのって、視点が変わっておもしろいなぁ。


1日3回、「夜の部」がおすすめな理由は?

「彫金工房 冨銀」では、作品の販売もしています。シルバーアクセサリーのほかにも、天然石を使用したものも

「彫金工房 冨銀」では、3つの時間帯にわけて体験予約を受け付けています。(午前の部9:30~/午後の部13:30~/夜の部19:00~)。とくにおすすめなのは、19:00スタートの夜の部。レジャーを満喫したあとに、体験することもできるからです。ピーク時の渋滞を避け、ここで体験を楽しみ、ゆっくりと家路につく。そんなプランもよいのではないでしょうか?

 

また、せっかく休暇を利用し館山を訪れたのに、悪天候。そんなときも、ぜひ問い合わせてみましょう(翌日・当日の空き状況はtel推奨)。空きさえあれば、当日予約もOKです。



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