自然のリズムに身をまかせて。鴨川の“earth tree”に集う/earth tree cafe(鴨川市)

公開日: 2018年08月10日

波に恵まれ多くのサーフスポットが点在する安房地域。中でも鴨川市は太平洋が生み出すワイルドな波を求めて、サーファーが多く訪れる街です。そんな鴨川にほかのどこのサーフスポットよりも魅力を感じ、自然と寄り添うことのよさをシェアしたいと思ったオーナーがオープンさせたのが「earth tree cafe(アースツリーカフェ)」。いろいろな人が集い、つながり、めぐる…そんな自然のリズムを感じる心地のよい“earth tree”が、鴨川に育っています。

松林の緑に囲まれた、自然を愛する一軒家


鴨川市のメイン道路である国道128号は、市街を勝浦方面へ抜けると両側に松林が広がります。その道沿いの松林の中に突如現れる、漆喰の自然な白壁が目を引く一軒家がアースツリーカフェ。


松林を背景に、海風にさらされた自然な風合いの看板と外観は、海は見えなくとも確かに海辺のローカル感を感じさせてくれます。扉をくぐると、高い吹き抜けの二階席、窓に向かったカウンターや一段下がったテーブル席にプライベート感のある小上がりなど、セルフで仕上げたという個性豊かな席ばかり。窓からの自然光や松林の緑も美しく、どの席に座るか、毎回悩んでしまいそうです。



都会では実現できない自己表現を求めて鴨川へ

オーナーの松田さんは趣味のサーフィンで安房にはよく足を運んでいましたが、仕事はかなりハードな会社員。そんな中サーフィンを通じて魅せられていたのが鴨川の地でした。

 


バリバリと都会で働いていた松田さんは自己実現のため一念発起して会社を退職。もともと、何かを人と共有することに喜びを感じていて「自分の存在価値を形にできることは何だろう?」と考えた末に浮かんだのが、カフェの経営でした。そんな中、出会ったのがエネルギッシュな個性あるカフェオーナーと玄米のチカラ。「玄米など自然な食事をしていたら、毎日ホントにいつも気分がよくて、これをほかの人にもシェアできたら、自分の存在価値ってあるんじゃないかと」。こうして、カフェのコンセプトが固まっていったそうです。


自分がいいと思ったものをシェアしたい

「サーファーって海あがりにコンビニでご飯とか多いんですよね。サーファーだけじゃないですけど、コンビニご飯が普通になっている人に、玄米や身体に優しい自然本来のおいしいものを知ってもらえたらいいなと思って」。しかし、最初から玄米食はハードルが高いのでは?と考えた松田さん、いろんなメニューを用意して間口を広くしているそうです。「とはいえ、やっぱり食べてほしいのはランチの日替わり雑穀プレート。旬のものがメインだから、食べながら自然のリズムも感じてもらえると思います」。野菜たっぷりのおかずプレートに玄米とスープ。松田さんのシェアの気持ちに、お腹も心も満たされるこだわりのメニューです。



また、ヴィーガン対応の動物性食材フリーでこだわりの材料を使用したスイーツは奥さんの担当。充実のラインナップでどの見た目も味も優しく魅力的。オーガニックなドリンクと一緒に、カフェタイムもまったり過ごせます。


それから、アースツリーカフェは安房では珍しい長時間営業が特徴。実はこれも、心地いい時間のシェアをしたいという想いから。朝の営業は、店内の朝の光がきれいすぎて、シェアしたい!と思ったから。夜の営業は、夜も鴨川でくつろいで帰ってほしいから。



「朝サーフィンして海から上がってコンビニでコーヒーって、くつろげないじゃないですか。夜も、ゆっくり帰ったほうが渋滞もなくてストレスがないし。せっかく海とかで楽しんでも、帰りにストレスがたまったら、もったいない」。試行錯誤を繰り返しながら、今のスタイルを確立していったそうです。 



そんなシェアの気持ちにあふれたアースツリーカフェのお客さんは、ほとんどがリピーター。オープン当初こそ玄米食を知っているお客さんが多かったそうですが、今ではサーファーも増え、観光客などいろいろな人が来てくれるようになりました。 


自然のリズムに身を任せる心地よさを、非日常から日常に


「都会では、自然が当たり前じゃなくて自然が非日常になっているのが気になる」と言う松田さん。「ウチで使う野菜は無農薬無化学肥料で育てている農家さんにおまかせ。ということは自然まかせなんですよね。昔からある自然のサイクルを忘れちゃいけないと思って。趣味のサーフィンも、海の波は本当に自然で、完ぺきではないし、そういうところが好きです」。


都会の子どもたちが、自然が非日常のまま成長していくとどうなるのか心配、とも語る松田さんにも娘さんがひとりいます。アースツリーカフェが、自然を楽しむきっかけを家族に与えられる場所になれれば、との想いもあるそうです。


earth treeからはじまる、自然のめぐり


アースツリーカフェの店名は、じつは当初お店を出そうとしていた鴨川の名高いサーフスポット「マルキポイント」が由来。なんでも、マル=地球(earth)+キ=木(tree)と思いつき、音の響きが気に入ってどこでやるにしてもこの名前にしよう、と決めたのだとか。


大きな木が鴨川の自宅にもあり、その木には季節になると鳥や動物が集まってきて実を食べフンをし、次の季節になると木は栄養を吸収して成長し地面にも花が咲き、どこかに運ばれた種も芽を出す…。その木を眺めていると自然のめぐりを実感するそうです。アースツリーカフェの“earth tree”も自然界と同じように、人が集い、何かを感じ持ち帰り、自分の中や周りで意識が育つ、というめぐりを…という想いが込められています。



アースツリーカフェに集う人たちから“earth tree”も栄養を得て成長し、他の場所でもこの自然のサイクルの芽が出れば、自然のめぐりがさらに加速するはず、と目を輝かせる松田さん。今はシンプルなパン作りにハマっていて手作りパンを朝にも食べてもらえたらと考えているそう。


成長を続ける“earth tree”には、自然ともてなしとシェアの実がたわわに実っています。


【店舗情報】

店舗名:earth tree cafe

営業時間:9:00-24:00(2018年7月末現在)

所在地:千葉県鴨川市広場820-77

TEL:0470-94-5267

定休日:月・火※Dinnerは火曜・第2第4月曜が定休日(2018年7月末現在)

web:https://www.earthtree.info/

Instagram:https://www.instagram.com/earthtree1/

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