天然酵母の香りに誘われて、13年間愛され続けるパンカフェへ/

オルネカフェ (南房総市)

公開日: 2018年05月28日

カフェが多い海辺の街、南房総市千倉町。海風香るこの街に、13年間愛され続けるパンカフェがあります。その名は「Horne café(オルネカフェ)」。


多くの人が訪れる海水浴場からほど近い、閑静な住宅地にお店を構えています。パンとコーヒーの香りが豊かにただようシンプルで心地いい、長年愛される理由のあるパンカフェをご紹介します。

 

扉を開けると天然酵母の芳醇な香り


千倉町のサーフスポットでもあり人気の海水浴場でもある、南千倉海水浴場から車で3分ほど。日本で唯一の“料理の神様”を祀った高家神社(たかべじんじゃ)への案内板を頼りに住宅街に入ると、すぐにシンプルな二階建てのアパートが見えてきます。



その二階にあるのがオルネカフェ。はじめての場合は少しわかりにくいかもしれませんが、アパート入り口の小さな駐車場看板が目印です。車は、建物横と50mほど進んだ場所に駐車できます。


  

昔ながらの鉄階段をカンカンと音を鳴らしてのぼると、白い小さな看板にシンプルな字体で「Horne café」の文字。来た道を振り返ると、海の青いきらめきが見え、海辺の町のカフェであることを感じさせます。小さな扉を開けると、フワッと香るパンの何とも言えない甘い香り。この芳醇な香りだけで気持ちがほぐれていくから不思議です。

 

この香りは、ホシノ天然酵母をつかっているからこそ。市販のイーストを使ったパンとは違う、天然酵母ならではの香りです。


できるだけシンプルに、と酵母と国産小麦のおいしさを活かすパンを焼いています。食パンは粉と酵母と塩と水分だけというシンプルさ。他にも、バゲットやイングリッシュマフィン、ベーグルなど、素材を活かしたパンが曜日替わりで並びます。

 

13年間何気なく流れる“自由時間”

 


「いらっしゃいませ」と穏やかな笑顔で迎えてくれるのは、店主の小原(こはら)さん。店内には使い込まれた木製のテーブルとイス、オーブンが設えられたオープンキッチンにカウンター。壁際には焼きたてのパン。その甘い香りがただよう12席ほどの小さな空間には、グリーンや雑貨がさりげなく飾られ、決して押しつけがましくないシンプルで落ち着く空間を作り出しています。

 

 

2018年5月でオープン13周年を迎えたというオルネカフェ。何気ない中にオリジナルの濃い空気感があるのは、流れた時の長さも関係しているのでは、と思わせます。テキパキと清潔感のある控えめな店主の接客も心地よく、訪れた人をシンプルに包み込むこのカフェの時間はまさに“自由時間”。お客さんのスタイルもさまざまで、ランチでゆっくり過ごす人、お気に入りのパンを買いに来る人、コーヒーとスイーツでのんびりする人…みんな思い思いにカフェを訪れています。


 

パンとコーヒーが香る何気ない雰囲気の中で静かに気ままな“自由時間”を過ごせる包容力が、オルネカフェが愛され続ける理由のひとつだと感じました。


「コーヒーにはパン」で、はじめたパンカフェ

店主の小原さんは安房地域出身。千倉の老舗カフェ「Sand CAFÉ」で働いたのち、20代半ばでオルネカフェをオープン。それから13年、1人でお店を切り盛りしています。



子どものころからコーヒーの香りが大好きで館山市にある老舗のコーヒー専門店「サルビアコーヒー」によく連れて行ってもらっていた、という小原さん。こだわりのコーヒーは南房総市白浜で特別に焙煎してもらっているオリジナルブレンドの豆を注文のつど挽いて、ハンドドリップで淹れています。



「コーヒーと言えばパン」だと思い、パンカフェに決めたそうで、ちょっと珍しい響きの店名「オルネカフェ」の由来は、パンを焼くという意味のスペイン語から。お店を千倉に決めたのは「千倉が好きだったのもありますし、やっぱりSand CAFÉの存在が大きかったと思います」と小原さん。友人の住まいだったワンルームを改装し、今のカフェの形にしたそうです。

 

好きなものを自分のペースで


 

オルネカフェでは、日替わりでパンを焼いています。曜日ごとに5~6種類。オープンキッチンで焼いているので、オープンする11時ごろには焼きあがったパンやオーブンから香りが濃くただよいはじめます。

 

 

パンの種類を曜日替わりにした理由は、ひとりでたくさんの種類は焼けないことと自分自身が飽きっぽいからだと笑う小原さん。飽きっぽいからというのは意外な理由ですが、買う側としては曜日替わりで違うパンが楽しめるのは通う楽しみにもなっています。


 

違うものをいろいろ楽しむというスタンスは、メニューにも。ランチのスープセットにはパンが3~6種類食べやすいサイズに切って盛り合わされ、スープも週替わりで旬の素材を使った手作り。デザートプレートも2種のケーキに焼き菓子、となっています。何が出てくるかな?のワクワクも楽しい時間。好きなものを少しずつ、という願いをさりげなく叶えてくれるところも愛される理由かもしれません。



 一方、インテリアや器は、好きなものを長くというスタンス。テーブルなどは長年使っているものばかりで「アンティークも好きだけど、家具などは流れでそのまま長く使っている感じ」とのこと。何年も前に縁があって知り合った地元安房の陶芸家・西山光太さんの器や好きな作家の作品を少しずつ集めてカフェで使ったり、販売もしています。店内で目を引く印象的なペンダントライトカバーは、陶器でできていて西山さんの作品なんだそう。

 

また、地域内外から作家さんを呼んでのワークショップや展示会が開催されるのもオルネカフェの特徴。陶芸作品や真鍮、革製品や織り製品、アンティークなど、こだわりの作品が並ぶ毎年12月の展示会は必見。不定期に開催されるワークショップでは陶磁器を修復する「金継ぎ」や手織り作品など。いずれも、小原さんが好きなものをシェアするような気持ちではじめたものだそうで、ここでも好きなものに何気なくこだわるオルネカフェの心地よさを感じました。

 

持ち帰れるからこそ、また訪れたくなる場所



オルネカフェのパンを持ち帰って、袋を開けた瞬間に香る甘いパンの香り。テイクアウトならではの、お楽しみです。それぞれのパンにファンがいるそうで、決まった曜日にやってくるお客さんも多いとか。



天然酵母を使ったスコーンやビスコッティなどの焼き菓子も人気の商品。自宅で楽しむのはもちろん、手土産としても間違いなく喜んでもらえると思います。陶芸作品の購入もできるので、家にいながらにして、カフェの空気を味わうことができるのです。



そして、やっぱりまたオルネカフェの空気を味わいたい、と出かける常連も多いのではないでしょうか。13年間愛され続ける最大の理由は「また味わいたくなる空間」だから、なのかもしれません。


 

13年間愛され続けるのも納得の何気ない心地よさがあるオルネカフェ。一度足を運んでみると、また訪れたくなる…そんな魅力のある小さなカフェです。

 

【店舗情報】

店舗名:Horne café

営業時間:11:00~17:00

定休日:水・木

所在地:千葉県南房総市千倉町北朝夷223-5 2F

駐車場:6台程度

Web:https://hornecafe.jimdo.com/

   https://www.instagram.com/hornecafe/ (Instagram)

TEL:0470-44-5834

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