個人でも大丈夫? バス旅行で定番の花摘み体験にひとりで行ってみた!

公開日: 2018年03月18日

南房総のバス旅行ではよく耳にする体験のひとつ「花摘み」。言葉としてはなじみがありますが、実は地元でも実際にやったことのある人は少ない体験なのです。

 

安房地域の花摘みスポットとして最も有名なのは南房総市千倉町。もともと、安房地域の太平洋に面している海岸線一帯は黒潮の影響で霜がおりない地域で、ビニールハウス内ではなく畑で花を栽培する露地栽培に適しているとされています。その中でも昔から稲作が終わった田んぼで花栽培を行い始めたのが千倉の花畑、花摘みの発祥と言われています。

 

そんな花畑に近い場所に住んでいながら、私自身も花摘みは未体験。もともとお金を払って花を買う習慣がなく、観光バスの年配女性がやるもの、という印象がありました。しかし、千倉の主要な観光スポットとしてかなり昔からお客さんを多く集める花摘みには、きっと人気のヒミツがきっとあるはず。南房総の春の風物詩でもある花摘みの隠れたポテンシャルを探すため、ひとりで体験に行ってきました!

いざ花摘み! 千倉・白間津へ!


今回、花摘み体験をしようとやってきたのは南房総市千倉町白間津(しらまづ)の「白間津のお花畑」と呼ばれる場所。千倉駅から白浜方面へ車で15分。海に面した道と並行して走るひとつ山側の道沿いに「白間津花のパーキング」という無料パーキングがあります。トイレや休憩所、喫茶店なども揃っていて、白間津の花畑はここに駐車して道路を渡ってすぐ。私は土曜日の午後に行ったのですが、県外ナンバーの車が多く、時間によっては満車になっていました。


パーキングから、道路を渡るとさっそくお花畑がお出迎え! 小さな小屋と小さなあぜ道がどこかノスタルジックな雰囲気をただよわせています。今年は夏の台風と冬の例年以上の寒さの影響で生育が悪く背が低い花が多いそうですが、このまだ寒い時期に並んで咲きほこる花たちの美しさはやはり春を感じさせました。身近に自然がある地元住みの私でも、花畑のきれいさに驚いたくらいなので、寒い地域からや花の少ない都会からのお客さんにはたまらない光景だと思います。

 

花農家さんを訪ねてウロウロ…

花農家さんへ花摘みに突撃!の前に、お花畑を散策することにします。白間津花のパーキングにも「どうぞ散策していってくださいね」という看板がちゃんと設置してあるので安心して散策してください。看板にもありますが、歩道が舗装されていないので注意が必要です。


 

白間津の花畑で多く栽培されている花は、香りがよくボリュームのある「ストック」と、パッとかわいらしく咲く明るい色の「ポピー」。色鮮やかな「矢車草」や千倉名産の花でもあるオレンジの「キンセンカ」など、畑によって植えている種類が違うことも。


 

そして、花畑から少し視線を上げるとその向こうには…そう、海です! この花畑から見る海がまた格別。ほかの地方ではなかなか味わえないぜいたくなコラボレーションです。花畑から撮影すると海が見えづらいので、少し高くなった道路側から撮影するといいかもしれません。

 

花畑を散策し、どの畑で花摘みをするかウロウロ迷っていたときに「お花見て行ってよ~」と声をかけてくれた優しそうなおばちゃん。せっかくなので、そのおばちゃんが営む「○○」で花摘みをすることに決定しました!

 

花摘みの小屋は古いものが多く、実際どこでどうやって花摘みの申し込みをしていいのかわからないかもしれません。白間津では、畑ごとに管理している花農家さんが違うので、畑の横の小屋で「花摘みしたいんですけど」と声をかけてみましょう! 私のようにウロウロしていると優しいおばちゃんが声をかけてくれたりもしますが、飲食店の呼び込みのようなことはないので苦手な方も安心してください。

花摘み…の前に、畑のおばちゃんとお客さんにも話を聞いてみた


花農家「甚四郎」のおばちゃんは、花の時期以外は海で漁をしている海女さんでした。どこの畑も花摘み時期が終わると他の仕事をしているそうですが、海女さんとはビックリ! とても気さくなおばちゃんで、お孫さんの話題にまで話がおよび地元トークで盛り上がりました。畑を管理する元気なおばちゃんとのおしゃべりも、白間津の花畑の魅力のひとつでです。そうこうしている内に、畑で花摘みをしていた若いカップルが花摘みを終えて帰ってきました。少しお話を聞いてみましょう。

 

お二人は東京方面から日帰りで花畑に遊びに来たそうで、「こどものころ、花摘みに来てとっても楽しかった思い出があったので今日一緒に来ました」とのこと。思い出の花畑に恋人と来るなんてロマンチックですね!と盛り上がりました。実際このように「昔来たことがあるから大人になって来てみた」という人は少なからずいるようで、子どもゴコロにも大きな思い出となる花摘み体験なんだなと思いました。確かに、この一面の花畑を見たら楽しい想い出になるはずです。


 

それからしばらくすると、犬連れのお客さんが。こちらも東京方面からだそうで、切り花を買ってかわいらしい小型犬と一緒にお散歩を楽しんでいました。しつけのできた犬であれば一緒にお散歩できるのも花畑のいいトコロ。少し足を伸ばして海の方にお散歩するのもいいかもしれません。周辺にもお散歩コースがあります。

 

その次には、九州出身だという年配の女性。千葉北に住んでいて毎年千倉で花を買って地元へ送っているそうです。また、スターチスという可憐な花を購入し、ドライフラワーにすると話していました。

 

薄曇りで肌寒いコンディションにも関わらず次々とお客さんが訪れる白間津の花畑。花摘みに直接来るお客さんはもちろん、電話や手紙での配送注文も多いそうで、「今もまだ送っていない分がたくさんあるの。でも花の育成次第だからね」と苦笑いでおばちゃんが話してくれました。毎年、まだ雪深い東北や北海道への配送もあるそう。「寒い地域に送るとやっぱり喜ばれるよね」と笑顔のおばちゃん。


 

配送に関してはお客さんからもよく質問されるのが、配送中に花はしおれないのか、ということ。特に切り口には保水もなにもせずに送るそうですが、おばちゃんは「注文や切り花の配送には“水揚げ”をしてある花を送るから到着してそのまま花瓶に飾っても大丈夫なくらい。花摘みで摘んだ花は配送中に少ししんなりしちゃうけど、お家で水揚げすれば大丈夫だよ」と言います。水揚げとは、切り花に十分な水分を与えるために、水中で切り口を斜めに切って水を吸い上げさせる方法です。


また、露地栽培の花は一般的にも長持ちすると言われていて、実際に私が摘み取ってきた花も10日以上経っていますがまだまだ元気に咲いています。ちなみに、持ち帰りの際はおばちゃんが手際よく新聞紙に巻いて、持ちやすい長めのビニール袋に入れてくれました。この季節になると駅周辺ではこの袋を持った人をよく見かけます。

 

花摘みできる花で長持ちのしやすいのは、甘い香りが特徴のストック。穂状につぼみがついているので、つぼみの多い花を選ぶとさらに長く楽しめますよ。

いよいよお楽しみの花摘み!


では、いよいよ花摘みをしてみたいと思います! おばちゃんに申し出ると、四角いトレイと花切りハサミを貸してくれます。それを持って畑に行き、おばちゃんに摘み取り範囲を教えてもらいましょう。今回私はストックをチョイス。金額は摘み取り本数と花の種類で決まっていることがほとんど。切り花を購入するよりお得な場合が多いです。

 

実際に畑の中に入り、花を間近で見るとやっぱり気分が上がります! 花摘みに、いちご狩りのような時間制限はないので、のんびりと思う存分花畑と花摘みを楽しみましょう。どの花がきれいか探すのもよし、彩りを考えて選ぶのもよし、つぼみが多いものを選ぶのもよし…それぞれに楽しめる時間です。みなさん夢中になるようで、おばちゃんも「摘み始めるとけっこう時間がかかるんだよ」と言っていました。


 私は、カメラを構えて撮影に夢中になってしまいました。花畑では花を間近で撮影できるチャンスです。一輪にしぼって撮ると可憐でかわいい写真に。花の高さで撮ってたくさんの花が咲いている様子も入れると“お花畑感”がアップして、“インスタ映え“な写真になります。さらに、下から花を見上げるように撮ると青空と花だけが撮れるのでさわやかな一枚に。

 

 家族や友達と一緒の場合は、ぜひ花の高さにしゃがんで写真を撮ってみてください。なかなか撮れない花に囲まれた写真が撮ることができます。花の前だけでなく花の後ろに回り込んで撮るのも臨場感があり、オススメです。今回はひとりきりなので撮れませんでしたが、次回は子どもと一緒に来て撮影を楽しみたいと思いました。


 

花を摘むときのポイントは、ハサミで優しく一本ずつ切ること。私は最初、ストックを枝分かれする前の根本から切ってしまい、注意されてしまいました。また、長く楽しむにはつぼみが多いものがオススメ。それから、茎をできるだけ長く切ったほうが飾りやすく水揚げもしやすいです。


 

撮影を楽しんだり、どの花を摘むか悩んでいると時間があっという間に過ぎてしまいます。夕方4時近くなり、おばちゃんから「もうすぐ店じまいするから早めにね」と声をかけられる始末。どうやら、どこも4時頃には店じまいをするようで、すでにシャッターを閉めている小屋も。このあとは出荷や翌日販売用の切り花の準備などをするそうです。ですので、花摘みをするなら3時頃までには畑を訪れたほうが無難なようです。


帰ってからも続く、花とのいい時間


10本も摘むとけっこうなボリュームになりました。白のストックがキレイだったので、それをメインに紫とピンクを少し混ぜ、これで花瓶2本いっぱいになりました。今回はおばちゃんが少しオマケしてくれたのですが、花の状況などによってオマケしてくれることも多いようです。つぼみも多かったので1週間以上たつ今も、まだまだたくさん咲いていて、ふわっと香る甘い香りに毎朝癒されています。

 

花摘みをする前も、しているときも、したあとも楽しむことができる千倉の花畑での花摘み。確かに、一度行くとまた行きたくなる魅力がありました! また「この花をあの人に贈りたい」という気持ちにもなりました。今度は子どもと一緒に花摘みをして遠く離れた両親に千倉の花を贈ろうかと計画しています。


家の中に花があると空間が華やぐので、花なんて飾らないという人もぜひ一度体験してみてほしいです。不思議と気持ちが上向きになりますよ。露地栽培の花は元気なので長持ちしますし、水替えも毎日でなくて大丈夫ですので、「花は水替えが面倒だしすぐ枯れてもったいない」という概念がくつがえります。


まだまだ寒い日が続きますが、春を感じてリフレッシュするにはもってこいのお花摘み体験。ひとりでもふたりでも大勢でも、ぜひ足を運んでみてください。花摘み体験でいい時間を過ごし、自宅に帰ってからもいい時間が続くこと、間違いなしです。



駐車場名:白間津花のパーキング

営業時間:24時間利用可能(ただし販売所などは春のみ8:30~日没)

定休日:無し

所在地:千葉県安房郡千倉町白間津1397

駐車場:30台

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