シンプルに自分時間が過ごせる。坂の上のひっそりカフェ/

日毎 ヒゴト (館山市)

公開日: 2018年05月11日

安房には「こんなところにすてきなカフェが!?」というお店が少なくありませんが、「日毎 ヒゴト」も意外な場所にあるカフェのひとつです。館山市街から白浜方面へ車で10分ほどの場所ではありますが、お店にたどり着くには急な坂道を登らなければなりません。しかし、登った先には居心地のいいカフェがあなたを待っています。


店内にはセンスのいいアート作品や雑貨、提供されるのはシンプルにおいしい食事とお茶。ゆっくりとした飾らない自分の時間が過ごせるカフェ、日毎をご紹介します。


急坂の先は、緑に囲まれたひっそりカフェ


安房というと海のイメージが強いかと思いますが、半島であるため海に近い場所でありながら山も多くあります。そんな海に近い小さな山の中に、日毎はひっそりと建っています。


館山市街から白浜方面へ県道86号を入り、山道になってほどない場所ですが、「日毎」と書かれたこれまたひっそりとしたグレーの看板が見えてきます。カーブが多い山道なので、なかなか大きな目印がなく、見落とすお客さんも少なくないとか。かく言う私も何度か通り過ぎてしまいましたWebサイトに場所の説明が詳しく書かれていますのでそちらを参考にしてみてください。



そうやってやっと見つけたそのちいさな看板が指し示すのは、急な坂道。舗装されていて距離は短いのですが、運転が苦手な人は躊躇してしまうほどの急勾配です。ギアをローに入れ、勇気を出して登ってみましょう! 



何度かカーブを曲がった先に見えるのが、緑あふれる庭にシンプルなグレーの建物。日毎に到着です。ちょっとした冒険のあとだけに、私にはホッとしてどこか懐かしい場所のように感じられました。


自分時間が過ごせる空間


味のある看板に出迎えられて簡素なドアを開けると、窓から入る光が美しい木と白壁の空間。靴を脱がずにお邪魔します。 



にっこりと笑顔で迎えてくれるのは、喜多村礼子さん。華奢な女性ですが、ひとりでお店を切り盛りされています。店内にはセンスのいいアート作品がさりげなく置かれ、ショップカードにも登場するロバをモチーフにした個性的な作品は、画家であるご主人が制作したものだそう。家にあったものやいただいたものがほとんどという家具もセンスの光るものばかり。それらが目立ちすぎない絶妙なバランスで一体となり、日毎らしい心地いい空間をつくっています。 



器はシンプルながらもかわいらしさのあるものが使われていて、店内の雰囲気にピッタリ。これは以前から収集していたものや、オープンのときに作家さんに作ってもらったものだとか。



オススメの席はカウンター。緑豊かな庭が見渡せる特等席。絵画のように絶妙なサイズに切り取られた風景を眺めていると、気持ちが落ち着いていくのがわかります。



この自然な雰囲気と飾り過ぎない空間が、日毎の特徴。シンプルな自分に戻れる時間を作ってくれるヒミツなのです。

 

自分の感覚を大切に作ったカフェ

喜多村さんに店名の由来を尋ねると「あんまりカフェっぽくないと言われるんですが、特別な意味もないんです(笑)」と苦笑い。漢字で、読みが三文字、濁点が入っていると呼びやすくて覚えやすいから、という理由で決めたそう。



「私、房州人なのでぼんやりしていて。お店もそんな感じです」と笑って答える喜多村さんの出身は、お店のある館山市のお隣、南房総市千倉地区。そんな房州人の彼女は一度東京へ出て「やっぱり戻ろう」と安房へUターン。「働きたい場所で働きたい」と考え、雑貨と食べることが大好きだったので、カフェで働き始めます。これまた山中にある老舗カフェ「grass-B(グラスビー)」と、千倉の名店「Sand CAFÉ(サンドカフェ)」で働いていた彼女は、そこでは本当に人に恵まれさまざまな出会いがあったと言います。そのご縁や出会いを経て、2016年3月に日毎をオープンしました。 



坂の上に決めた理由も聞いてみると、「坂の上にしようと思っていたわけではないのですが、主人の両親がこちらへ移住してきたときの家で、スペースが空いていて、流れでここにしようかと決めました。庭が気に入ったというのもありますね。急坂で申し訳ないのですが…」。確かに急な坂にはビックリしますが、このやわらかな緑に囲まれた落ち着く空間は、探してもなかなか見つからないかもしれません。流れに身を任せながらも、自分の感覚を大切に道を選んできた喜多村さんらしい選択だったのではないかと感じました。

 

ひとりでも、ゆっくり過ごせる


お客さんは少人数が多いという日毎。ひとりでふらっと立ち寄ってのんびり過ごす女性や野菜たっぷりのランチがお気に入りの男性、カウンターで熱心に勉強する若者、おしゃべりを楽しみながらゆっくり過ごす二人連れなど、それぞれの過ごし方をするお客さんが多いのだとか。

 


ランチは1種類。曜日によってカレープレートか野菜たっぷりの盛り合わせプレートが食べられます。カレープレートは、インドに行ったときに気に入ったという豆のカレー・サンバルともう一種類がつき、インドのおせんべいのパパドや青いマンゴーのピクルスなど、なかなか食べられないインド感あふれる一皿。ワンプレートなので、好きな組み合わせで混ぜて食べてもおいしく楽しいと人気です。盛り合わせプレートは、季節の地元野菜をたっぷり使ったお惣菜4~6種類がメイン。汁物もつくので、ほっこりできますよ。いずれもご飯は自家精米の分づきの地元産米。食後に出る黒入り玄米茶と、つかず離れずのやさしい接客に「ゆっくりしていってほしい」という気持ちがこもっています。



食材は基本的に地元で購入し、庭で採れたゆずや山菜、ハーブをメニューに使うことも。「安房に住んでいると、旬の野菜を食べたり山や庭など近所で採れた食材を使うのは当たり前のことになりますよね」と話す喜多村さん。特別な調理法を使わなくても自分がおいしいと思う料理を提供しているそうです。


安房の自然や季節を楽しむメニュー

ビワやかんきつ類など地元の旬の果物をジャムやシロップにしたり、梅干しをつけたり、野草やハーブを使ったり、と季節の食材を取り入れるのが上手な喜多村さん。それに合わせて、ランチやカフェのメニューも季節によって少し変わります。冒頭の画像にある「自家製つぶあんと白玉」の白玉は定期的に種類が変わり、春であれば庭で摘んだよもぎ、安房名産のイチゴを使ったりもするそうです。季節の果物のジャムや甘煮が「あんことしょうがのホットビスケット」に添えられたり、定番の「モカケーキ」が地元レモンのケーキや栗のケーキに変わったり…。



私のお気に入りは、喜多村さんも大好きだというショウガを使った手作りのジンジャーシロップです。スパイスが入っていてアイスでもホットでもおいしい逸品。ジンジャーエールやジンジャーレモネードに使われています。レモネードは採れる時期によってかんきつの種類を変えたものも登場するそうで、私も楽しみにしています。季節の移り変わりをメニューで楽しめるのも、日毎に通う楽しみのひとつです。

 


急坂の上にひっそりとたたずむ居心地のいいカフェ、日毎。庭のなにげない草木やメニューの中に季節を感じながら、シンプルに整えられた自然に落ち着く空間で、ゆっくりと自分時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?



【店舗情報】

店舗名:日毎 ヒゴト

営業時間:11:30~17:00

定休日:火・水

所在地:千葉県館山市出野尾(いでのお)768

※ナビでは正しい場所に到着しないので、Webサイトから詳しい行き方をご確認ください。

TEL:0470-23-8807

駐車場:5台

Web:https://higoto.jimdo.com/

Instagram:https://www.instagram.com/cafe_higoto/ 

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