海辺の大正モダン建築と品格ただよう空間で味わうノスタルジー/

TRAYCLE Market & Coffee (館山市)

公開日: 2018年05月15日

海からほど近くにある、大正時代初期に建築された銀行をリノベーションしたTRAYCLE Market & Coffee(トレイクル マーケット アンド コーヒー)は、タイムスリップしたかのようなノスタルジーとモダンな雰囲気に包まれています。そして店内には、フェアトレード雑貨の販売と、フェアトレードや安全な食材にこだわったカフェメニュー、そして品格ただようくつろぎのスペースがあります。

また、「豊かさ」「伝統」「資源」などをキーワードに、エシカル(倫理的)な映画を定期的に上映するなどの取り組みも。おいしいものを食べて幸せに感じたことが、気づかぬうちに社会貢献につながっていれば…という思いを感じる、温かみのあるカフェスペースです。

オーナー夫妻の知識(ちしき)絵理子さんと淳悟さんにお話をうかがいました。

築100年の大正モダンな建物の雑貨&カフェ


風情ただよう白いモダンな建築物のドアを開くと、まず目に飛び込むのが、田舎ではあまり見かけることのない、楽し気にディスプレイされた色とりどりのフェアトレードの雑貨たちです。

ちなみに「フェアトレード ジャパン」によるとフェアトレードとは、「直訳すると『公平・公正な貿易』。つまり、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す『貿易のしくみ』」を指すそう。



1階は雑貨を扱い、カフェスペースのオーダーも行っています。そして、カフェメニューのテイクアウトもできる店内は、思わず手にしたくなるような雑貨たちがならんでいます。



コーヒーの香りが広がる店内に並ぶ雑貨類は、オーナー自らが自分も欲しくなるようなフェアトレード雑貨をセレクトしたのだとか。

店内には穏やかな空気が流れていて、ゆっくり買い物を楽しめます。お二人の温もりあふれる空間づくりがうかがえるようです。


銀行から始まり、幾度かの歴史を超え現在に至る金庫

1階の奥に建築当初は銀行だったことを想起させるような大きな金庫が。その一角は重厚感がただよい、歴史を物語っているかのようです。実は絵理子さんのおじいさまが、鴨川にあった銀行をこの場所に移築したそう。時を経て現在の店舗となり、建物は国登録有形文化財にもなっています。


どこか懐かしくどこか新しい、ノスタルジーとモダンが融合


2階のカフェスペースは、ゆったりと思い思いの時間をすごせるカフェスペースになっています。和風と洋風が融合しており、まるでタイムスリップしたよう。しかし古びた感じではなく、落ち着いた品格のある雰囲気がただよっています。


2階へ上がると広がるノスタルジックな世界

一つひとつの席が、すべて異なるテーブルやイスになっていて、場所選びも楽しい。そして窓からは海が見え、窓を開ければ潮風が感じられる気持ちのいい空間です。



ゆったりくつろげるソファ席もあり、子連れも歓迎してくれる貴重な場所です。小さな子どもがぐずってしまってもほかのお客さんが寛容に受け入れてくれるそうで、それも安房の地の魅力だと語るオーナーの話に、田舎ならではのおおらかさを感じました。



こちらのお店、無料Wi-Fi環境も整っており、大きいテーブル席もあるのでノマドワーカーにもおすすめ。私自身も愛用している大好きな空間です。ちなみに私は、窓越しに西日がさす夕景を見るのが好きです。空と海、そして店内も赤く染まり、より一層ノスタルジックな印象を受けます。


窓際に置かれた書籍類も風景のようにたたずむ


都会とは違う環境で、情報過多のストレスから解放されるひととき



もともと館山出身である絵理子さんは、ご主人と都内のIT関連企業で働いていましたが、「祖父が残してくれたこの建物が大好き」で、建物を利用して何かできないかと考え過ごしていたそう。また、仕事柄、情報過多の時代を作っていくことに思うところがあり、館山へUターン(絵理子さん)&移住(淳悟さん)してこられたのだそうです。


1階の窓越しに見える景色も額縁の絵のよう

海外生活もしていた絵理子さんは、多様な環境で過ごしてきた友人の話にショックを受け、豊かさや平和を平等に分配するための仕組みを模索するなかでフェアトレードに関心を抱いたそう。いつしか、その流れに自分も貢献できたらという思いも抱いていたのだとか。。

この情報過多からの解放と、フェアトレードへの思いの二つが重なり、お店をオープンすることにしたそうです。



「この地は、都会から日帰りできる距離。館山にお店を開くことで、気軽にストレスから解放される時を提供できたら」と語るお二人。「都会からサッと来れる気軽さも魅力で、パソコンや街中にあふれる情報から解放されリラックスしてほしい。そしておいしいコーヒーを飲んでいただき、それが実は世界への貢献にもなっているというのが理想」なのだそう。


クラウドファンディングで支援してくれた方々の名前が刻まれた壁

お店をオープンする際、クラウドファンディング(インターネット上で資金をつのる仕組み)を利用したそう。メッセージとして打ち出したのは、お店のコンセプトである「フェアトレードを身近に、おしゃれに、楽しく、おいしく、感じられる場所」をつくりたいという思い。クラウドファンディングは、趣旨に賛同した人が「支援(出資)」し、かわりに商品などの「リターン」を得られる仕組みです。お二人の思いは多くの人の賛同を得て、目標金額を達成。お店の壁には、その支援者の名前が刻まれています。


フェアトレードに思いをよせるオーナー夫妻


オーナーによると珍しいフィリピンのコーヒーがあり、そちらをはじめとしフェアトレードのコーヒーが味の好みにより選べます。苦みや酸味などがチャート表にもなっているのでわかりやすく、好みを伝えれば豆を選んでくれます。自分テイストの一杯が見つかりそうです。



コーヒーのミルクは南房総市の三芳地区のミルクを使うなど、地産地消でおいしいものを選んでいるそうで、もう一つの看板メニュー、手作りおからマフィンはオーガニックとヘルシーさにこだわっています。



マフィンは、自分たちが毎日食べてもおいしく感じ、なおかつ安心安全に食べられるものに重きを置いているそう。「イチゴやレモンなど地元食材をふんだんに用い、この地域でしか食べることのできない旬な味を使っています。チョコレートはフェアトレードのもの。子どもから年配の方までが安心して食べられ、ゆったりとくつろいでいただける、そんな場所にしていきたい」と話してくれました。


ノスタルジーとモダンな雰囲気の店内は、時を忘れてしまうほどの上質な空気が流れていて、オーナー夫妻の思い描く「豊かさ」と「伝統」そして「資源」への思いが伝わってくるかのような、品格ただよう空間です。



【店舗情報】
店舗名:TRAYCLE Market & Coffee
営業時間:11:00~18:00(L.O.18:00 但し土曜は17:30)
定休日:月・火
所在地:千葉県館山市館山95-70
駐車場:4台
    ※駐車場が満車の際は隣のセントラルスポーツ裏の砂利スペース駐車場使用可
Web:http://trayclemarket.com/
   https://www.facebook.com/trayclemarket/ (Facebook)
   https://www.instagram.com/trayclemarket/ (Instagram)
TEL:0470-49-4688
備考:臨時休業や、祝日の営業などはFacebookで配信

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