ウミホタル採集器づくりに挑戦! 実際どれくらい採れる?

公開日: 2019年07月30日

AWANOには「夜のウミホタル観察」というコンテンツがありまして、参加費をいただいて運営しているわけですが、この「ウミホタル採集器」さえあれば、な、なんと自分でウミホタルをつかまえることができるのです。ということで、今回は惜しげもなく、ウミホタル採集器の作り方をご紹介します。


なお、このウミホタル採集器はあくまで使用1回きりの簡易的なもの。AWANOの「夜のウミホタル観察」のウミホタル採集器は、これとはまったく異なる“本格装置”です…!


まずは材料をそろえよう

ウミホタル採集器づくりのために準備するものは、たったの4つ。わりと単純なんです。



・空の500mlペットボトル

これがメイン装置。おすすめは天然水系のペットボトルです。水のペットボトルは総じてやわらかいため、ハサミで穴を開ける際も採集したウミホタルを取り出す際もラクラクです。また、中身を飲み干したあと、できるだけ乾かしたものを使ったほうが、作るときに不快な思いをせずにすみます。


・ハサミ

ペットボトルに穴を開ける際に使用します。カッターでも問題ありませんが、ペットボトルは表面がつるつるしているのですべる危険性があり、その点でハサミが手軽です。ウミホタル採集時にも持って行きます。


・白のPPテープもしくはPPロープ:6~7メートル×1本

荷造りによく使われる、あの白いひもです。採集器を海に下ろし、ウミホタルを採集して引き上げるために必要です。丈夫なひもと言えば麻ひもやタコ糸ですが、万が一ひもが海に落ちたときに沈んでしまい、ペットボトルを回収することができなくなります。白いPPテープなら夜の海でも目立ち、浮くので回収できます。スズランテープだと裂ける可能性があるので、やっぱりPPテープがおすすめ。


・小石:10~15個程度

ペットボトルを海に沈める際のおもりになります。ペットボトルの飲み口は直径2.2cmほど。砂や砂利だと、運搬時はもとより、海に沈める際に水中にこぼれ落ちるので、小石がよいです。


ウミホタル採集器を作ってみよう

材料の時点で作り方をある程度想像できてしまいそうですが、ポイントなども書いていくので、ここはひとつ読み進めてもらえるとうれしいです。


1. ペットボトルに穴を開ける

わかりやすいように、穴を開ける位置を油性ペンで書いてみました。タテに4ヶ所×3本で計12ヶ所の穴を開けます。実際はテキトーに開ければいいので、印をつける必要はないです。



キャップを外した状態で穴開け部分をぐっとつぶして、ハサミの刃を入れます。何度かウミホタル採集器をつくってきましたが、今回は初めて、水に次いでやわらかいお茶のペットボトルを使いました。が、ひとつめの穴でさっそく後悔。つぶすのは簡単ですが、ハサミを入れたら「かたッ…」となりました。やっぱりウミホタル採集器には「〇アルプスの天然水」や「いろ〇す」あたりが適していると確信。


「ぐぬぬ…かッ…た……ッ」

なお、これまでは3ヶ所×3本の計9ヶ所でやっていたのですが、ちょっとした出来心から今回初めて12ヶ所開けてみました。実際の採集も終えた執筆時点の今、結論9ヶ所でもまったく問題ないです! 穴が多いと沈むのがより早い、ただそれだけの違いです。


さて、大きなポイントは2つ。ひとつめは、いちばん上の穴の位置。12ヶ所もしくは9ヶ所の穴から海水が入ってきて沈んでいくのですが、ペットボトル上部の肩の部分というかカーブの部分は空気がたまりやすく、最後に沈みにくくなることがあります。さっさと沈んでもらうために、肩の位置は穴あけ推奨です。



ふたつめのポイントはいちばん下の穴の位置。採集器を引き上げるとき、海水は最後にいちばん下の穴から抜けます。穴の位置が低いとウミホタルたちも穴から流れていく上に、海水の少ない状態になってしまい、ウミホタルを取り出しにくくなります。いちばん下の穴は低くても真ん中か、真ん中より少し下あたりにするとよいです。


2. ひもを取り付ける

ペットボトルの飲み口の下のくびれ部分に、PPテープを巻きつけます。1回巻きつけたら縛り、もう一度巻き付けて反対側で再度縛り、さらに巻き付けて最後に縛って固く結びます。ポイントは、1回縛るごとにぎゅっと左右に引き、たわみを作らないことです。くびれから抜けないようにすることが重要なので、とにかくぎゅっと、ほどけないように。



3. おもりの小石を入れる

飲み口から小石を入れていきます。量は、ペットボトルの下4分の1くらいが目安。軽量してみたら190グラムでした。私の携帯は220グラムだったので、それよりはやや軽い程度。携帯の重量はそれぞれ異なるものの、ほとんどの携帯は水中に落としたらすぐに沈むので(想像したくないけど!)、ご自身の携帯くらいを目安にするとよさそうです。



4. ひもをまとめておく

もしかしたら、これがもっとも大切かもしれません。ひもが軽くて長いため、海に採集器を下ろす際に一気にほどけてしまったり風が吹いたりするとすぐにからまります。テキトーにまとめるのではなく、小出しにほどくことができるように束ねておくとよいです。ひもをきれいに束ねたら、ウミホタル採集器の完成です! 運搬時はキャップを締めるとよいです。飲み口から小石がこぼれる心配が不要になり、多少雑に扱うことができます。


ひもを束ねる用に、輪ゴムがあるといいかも


いざ実践! ペットボトルのウミホタル採集器は本当に採れる?

自家製ウミホタル採集器を持って、いざ夜の「館山夕日桟橋」へ。もっともよく採れるという、ゲートから50メートルほどの位置へ向かいます。採集器以外の持ち物は、ハサミと仕掛けエサの魚肉ソーセージ。ちなみに、ちくわやアタリメでも採れると聞きます。キャップを外し、まずは魚肉ソーセージをウミホタル採集器に入れます。太めの魚肉ソーセージだったので、半分にしてさらにタテに割きます。


表面積は多いほうがいいらしく、ハサミを使わず手で割きます

時刻は19:30過ぎ。この日の「月の出」は23:30ごろ。月があるとウミホタルは採れにくいとされているので、申し分ない暦です。台風になりそうな低気圧が小笠原付近にあった影響で、海にうねりが入ってきています。風も出てきていました。


この日は、AWANOスタッフの東が、いまだウミホタルを見たことのないライター鍋田さんにデモンストレーションを行っていました(こちらの記事は後日公開予定!)。ふたりとしゃべりながらだったので、ひもに注意を払わず無造作に輪ゴムを外したら、あっという間に風にあおられ、ひもが混戦状態に。ああ、きれいに束ねた意味ゼロ! 風のある日は、とくに気をつけてください。四苦八苦しながらからまったひもをほどき、いよいよ下ろしていきます。


たのむよ!

館山夕日桟橋のこの位置の水深は約2メートルほど。ウミホタル採集器をそろそろと下ろしていくと、ストッという感覚があって、まっすぐに張っていたひもがたわみました。海底にぶつかった合図です。最上部の穴をペットボトルの肩に開けたおかげで、浮遊感なく沈みました。じつは以前、初めて作った採集器を下ろしたときは、ペットボトルの肩の部分でぷかぷか浮き、ひもを左右に揺らしてようやく沈みました。肩の部分に穴を開けていなかったんです。穴の位置は重要です!


さて、余っているひもを桟橋の欄干に巻き付け、しばらく待機です。桟橋の下の海は、北条海岸に面していて館山湾と呼ばれます。入り江になっていて、別名「鏡ヶ浦」とも呼ばれるほど静かな海面です。けれど、だいぶさざなみだっている。ウミホタルは静かな海を好むので、波が出てくると沖へ移動すると言われます。「うねりが入っていると採れない」とウミホタルに詳しいおじさまたちから散々聞かされて耳タコになっているので、もしかしたらあんまり採れないかもしれないなぁ、記事どうしようかなぁなどと考えながら待ちます。


10分弱が経過し、いよいよ引き上げのとき。自家製ウミホタル採集器が海上に姿を現し、最下部の穴からジャバッと水の抜ける音がします。さらに引き上げると…なんだめっちゃ採れてるじゃん! さすが館山夕日桟橋、日本有数のウミホタル生息地と言われるだけのことはあります。さざなみ程度ならいけることがわかりました。


見えますか? 浮いているちょっとキモチワルイつぶつぶがウミホタルです

ハサミを用いて、ウミホタル採集器の最下部の穴付近でペットボトルをカット。小石を取り出していくと、小石にまとわりついたウミホタルたちが一斉に光り出します。ハッ…これは…飛行石だ!


パズーとシータの声が聞こえる

ペットボトルのなかもウミホタルがたくさん泳ぎ回っています。ペットボトルに指を入れてくるくる回すと、青い光を放ちます。カメラでは桟橋の街灯の光を拾ってしまいましたが、実際は真っ青な水のようになります。



自家製ウミホタル採集器でも、東と鍋田さんの“本格装置”となんら遜色なく採れました。自家製ウミホタル採集器、大成功!


たいていのものは画像のほうが美しいと思っているタチですが、ウミホタルは確実に実物のほうが美しく、幻想的かつ神秘的、ファンタジーな世界が味わえます。自家製ウミホタル採集器は1回きりの使い捨てです。もし手元にペットボトルがあれば、簡単に作ることができて、自分でウミホタルを採集できます。でも、ちゃんとガイドを聞きたい方、採集器をつくるのが面倒な方、小石なんて身の回りにないよって方はAWANOの「夜のウミホタル観察」のほうがおすすめです!

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