館山の宝、沖ノ島。シュノーケリングに海水浴…ローカルが遊び方を紹介!/

沖ノ島 (館山市)

公開日: 2019年04月16日

歩いて渡れる無人島、沖ノ島。近年は広く知られ、夏休みのシュノーケリングや海水浴には大人気の観光スポットになってきました。でも実はそれ以外の時期にも見どころが多く、いつ来ても何度来ても楽しい島なんです。沖ノ島のポピュラーな楽しみ方から、ローカル目線の新しい提案まで、一挙ご紹介します!


沖ノ島とは

沖ノ島は館山湾の南端に位置する、周囲約1km、面積約4.6平方キロメートルの島。南房総国定公園の一つで、森と海の環境が融合し、豊かな自然環境が保たれています。以前は沖合いにあった島は、関東大震災による隆起などで現在は陸続きに。NPO法人たてやま・海辺の鑑定団が沖ノ島をフィールドに自然体験・環境教育プログラムの提供や、アマモ場の再生などの環境保全活動を行っています。


INDEX

  1. 沖ノ島が人気な理由は? 3つの魅力を探る
    1. 熱帯のお魚に出会えるシュノーケリング。スポットも多数
    2. ビーチが楽しい。海水浴+磯あそび、ビーチコーミングも
    3. 森や洞窟などの無人島探検。森林浴でパワーチャージ
  2. 沖ノ島を知り尽くした達人が選ぶ、ベストタイム×スポット4選
    1. 9月の夕暮れ×テトラポッド=ダイヤモンド沖ノ島
    2. 9月×海の中=熱帯魚最多のシュノーケリング
    3. 冬×北岸の海=透明度最高のマリンブルー
    4. 春×森の小径=新緑
  3. 知っておくと沖ノ島をより楽しめる5つのポイント!
    1. 海水浴シーズン中の沖ノ島はどうなってる? 混雑状況は?
    2. 駐車場は夏の土日やお盆には朝の段階で満車になることも。駐車料金は?
    3. なぜかGPSが反応しないことが!? アクセスは自衛隊を目指して来よう
    4. バーベキュー、キャンプはOK?
    5. 周辺で買い出しできるお店は?
  4. 沖ノ島で遊んだあとは…帰り道に立ち寄りたいカフェ


沖ノ島が人気な理由は? 3つの魅力を探る

沖ノ島の魅力1:熱帯のお魚に出会えるシュノーケリング。スポットも多数


沖ノ島といえば、なんといってもシュノーケリング。沖ノ島周辺の海は「サンゴの生息の北限域」になっており、20種類以上のサンゴが生息しています。陸からシュノーケリングで潜ってもサンゴに出会えるというから驚きです。「サンゴは南の島のもの」と思っていた私は、ここで初めてサンゴを見たとき、とても感動しました。


photo by たてやま・海辺の鑑定団

サンゴがいるということは、海がそれだけ暖かいということ。南からの黒潮が東京湾に入り込み、ぐるりと回って房総半島最西端の洲崎を越えて抜けて行く…その波に乗って、南からカラフルな熱帯魚たちが館山・南房総の海へとやって来るのです。


群青色の人気者・ソラスズメダイ、黄色の縦縞模様のカゴカキダイ、角(つの)のような背びれが揺れるツノダシ。サンゴイソギンチャクの中で、クマノミが休んでいる姿が見られることもあります。暖かい水域を好むタカラガイも、このあたりの海では50種類も確認されています。


photo by たてやま・海辺の鑑定団

東京湾に面し、比較的穏やかな内房の海にはシュノーケリングできる場所がたくさんあります。その中でも沖ノ島が優れているのは「スポットの選択肢が多い」こと。


シュノーケリングでお魚が見られるかどうかは海の透明度(と運!)によりますが、風の向きと強さで透明度は大きく左右します。ぐるりと三方を海に囲まれている沖ノ島では、例えば北風の日には波が穏やかな南側でという風に、状況に合わせてシュノーケリングする場所をチョイスすることができるのです。


実際、私の経験談では、台風一過の日に他の場所では海の中が波にかき回されてまるで視界がきかなかったのに、沖ノ島のとある場所では魚たちがじゅうぶん見られるほど澄んでいたことがありました。シュノーケリングでどこに行くか悩んだらまず沖ノ島へ、という所以は島という特性にも理由がありそうです。


沖ノ島の魅力2:ビーチが楽しい。海水浴+磯あそび、ビーチコーミングも

photo by ワタナベ ヒロコ

シュノーケルとフィンをつけるスタイルでなくとも、浮き輪でぷかぷか浮いて楽しい程度の波があるのも沖ノ島の魅力。夏休みには島と陸を結ぶ砂浜が海水浴場となり、カラフルなポップアップテントでいっぱいになります。家族連れや若いグループが思いおもいに夏を満喫しています。


また、海水浴シーズン中はライフセーバーが常駐しているのも安心のポイント。例年、海の家も設置されるので、食事ができて、有料シャワーも使えます。海の家はだいたいいつも列ができています。


我が家の子どもたちの海デビューは、実は沖ノ島でした。というのも、夏の太陽がジリジリと照りつけるビーチは赤ちゃんにはつらいですが、沖ノ島の東岸(沖ノ島の正面に向かって右奥)は午後からは森の影となり、ありがたい日陰で海水浴が楽しめるのです!


沖ノ島の午後。海は日なたでビーチは日陰になっています

干潮時には、海に入らなくてもできる磯あそびもおすすめ。沖ノ島では北岸の入江が適しています。網とバケツを持って、磯にできた潮だまり(タイドプール)をのぞいてみましょう! 魚やヤドカリ、イソガニなどが捕まえられるはず。ナマコやアメフラシ、タコなどの軟体動物にも会えるかも。


体にたくさん海藻をつける「イソクズガニ」 photo by フジイ ミツコ

沖ノ島でのビーチの過ごし方に、ぜひ追加してほしいのが「ビーチコーミング」です。ビーチコーミングとは、海岸に打ち上がった漂着物を拾い集めて観察すること。漂着物には貝殻や流木、魚貝の骨などの自然物もあれば、海外からのビンやプラスチックといった人工物もあります。沖ノ島の北岸には、こんな貝殻ビーチが!



ビニール袋を片手に、面白いと思った漂着物をかたっぱしから集めてみましょう。単純なようですが、実はとても奥深く、さまざまな楽しみ方があります。「これは何? どこから来た?」と拾った物から想像して調べるのもよいし、集めたビーチグラス(※)の色や数で点数を競う遊び、貝殻を使ったクラフト作りなどにも展開できます。

※ビーチグラス:海岸に落ちている瓶の破片のこと。海を漂流している間に角がとれて、独特の擦りガラスのようになっています。



また、ビーチコーミングで出会えたらラッキーなのが「イルカの耳の骨」。耳骨(じこつ)と呼ばれることもありますが、一つひとつが違った独特の形状をしています。持っていると幸運を呼び寄せるとされ、ビーチコーマーのなかにはイルカの耳骨探しだけを目的としている人もいるほど。縄文時代、沖ノ島周辺はイルカ漁の基地だったようで、発掘調査ではイルカの骨も大量に見つかっているそうです。


photo by たてやま・海辺の鑑定団

沖ノ島ではタカラガイも豊富で、小さいものから大きいものまで、中にはとてもレアなものもあります。ぜひ自分だけの“お宝”を探してみてください。


photo by たてやま・海辺の鑑定団


沖ノ島の魅力3:森や洞窟などの無人島探検。森林浴でパワーチャージ


沖ノ島がほかの海水浴場と違うのは、森というフィールドも隣に有しているということ。海に飽きたら森のお散歩に出かけたり、洞窟まで探検したり、森の生き物や植物(240種類もいるとか!)を探してみたり、と遊び方にバリエーションがあることが特徴です。


沖ノ島でいちばん高い場所の標高は約12.8m。その地点を海抜ゼロのビーチから乗り越えて向こう岸へ渡れば、ちょうどよいアップダウンでお散歩にも最適。背の高い木々に囲まれた木漏れ日の道は、太陽にさらされるビーチからのシェルターのような安心感があります。



森で必ず見てほしいのが、沖ノ島内にある宇賀神社の御神木のタブノキ。樹齢300年とも言われ、天を仰いでいるような樹形がとても美しいです。この木が島を守っている…森の生態系を守るという意味でも、重要な存在である気がします。



また、東京湾の入り口に位置する沖ノ島は、戦時中は重要な要塞として整備されていた歴史があり、あちこちにその遺跡が見受けられます。中でも圧巻なのはこちらの洞窟。人の手で掘られたという穴がなかで小部屋のようになっています。この洞窟に子どもたちと一緒にいったのですが、もう大はしゃぎ! 先の見えない穴というスリルと海の美しさのコントラストが、冒険気分をかき立ててくれること間違いなしです。



沖ノ島を知り尽くした達人が選ぶ、ベストタイム×ベストスポット4選

ここからは少し違った切り口で沖ノ島の魅力に迫ってみたいと思います。せっかく訪れるのなら、旅先での最高の景色に出会いたいというのが欲というもの。海辺の鑑定団の竹内聖一代表に、沖ノ島でこの時この場所が最高!というとっておきを聞いてみました。


沖ノ島のベストタイム×ベストスポット1:9月の夕暮れ×テトラポッド=ダイヤモンド沖ノ島

「9月のとても天気のよい日に、駐車場のテトラポッドのあたりから沖ノ島を見ると、沖ノ島のてっぺんに夕日が沈んで光るんです。あたかも“ダイヤモンド沖ノ島”。特別な一瞬ですね」


photo by たてやま・海辺の鑑定団

プロアマ問わず写真家に知られる、年に数回しかないシャッターチャンスに「ダイヤモンド富士」というものがあります。これは、富士山頂に太陽が昇る瞬間と夕日が沈む瞬間に、まるでダイヤモンドが輝くように見える光景のこと。ちなみに、館山湾はダイヤモンド富士が見えるスポットとして知られます。詳しくは「館山湾の魅力を堪能できる絶景スポット4選!」にて!


館山は海に沈む夕日が美しく、夕日を眺める観光スポットも多いですが、沖ノ島も間違いなくその一つ。9月にはさらに、沖ノ島のこんもりとした森のてっぺんにピンポイントに夕日が沈む、「ダイヤモンド沖ノ島」が見られるとのことです。確かに、沖ノ島のシルエットと凝縮した光のコントラストがなんとも幻想的な光景です。見られる場所は、島へ続く砂浜に向かってすぐ右側の堤防。テトラポッドの手前にぜひ腰かけて、その自然美の瞬間を待ってみてください。


沖ノ島のベストタイム×ベストスポット2:9月×海の中=熱帯魚最多のシュノーケリング

「海の中のベストシーズンは、海水温が上がってくる9月。シュノーケルするなら島の右奥の岩場のあたりが、僕はいちばん気に入っています」


photo by たてやま・海辺の鑑定団

お盆をすぎるとクラゲが…ということで、海に入らなくなってしまう人も多いと思いますが、お盆を過ぎたあたりから「沖ノ島の海は本番を迎える」とのこと。というのも、海の海水温は外気温に1ヶ月遅れて来るため、一年のうちで最も海が温かいのは9月ごろになるのです。南からの魚が内房の海にやってきて、海の中がいちばん賑やかになるのは実はこの時期です。


ただし、8月中旬からは長い触手に毒を持つ「アンドンクラゲ」が出始めるのも確かなので、海に入る際は長袖長ズボンの着用はマスト。肌の露出を最大限少なくして入ったほうがよさそうです。また、台風の時期とも重なるため、海の中が穏やかなタイミングを見計らう必要があるでしょう。これらの条件をクリアして海に入れば、今まで見たこともない魚たちとの衝撃的な出会いに恵まれるかもしれません!


竹内さんのお気に入りのスポットは、島に渡って右側の奥に飛び出た岩場の先から、北のサンゴがある岩場までのところ。比較的浅い場所でも、種類豊かな魚たちが泳いでいる姿が眺められるようです。


沖ノ島のベストタイム×ベストスポット3:冬×北岸の海=透明度最高のマリンブルー

「沖ノ島は夏に訪れる人が多いですが、海の透明度がいちばん高いのは実は冬。潜らなくても上からのぞくだけで館山の海の美しさがわかります」




館山の海は、波が穏やかで鏡のように美しいことから別名「鏡ヶ浦」とも呼ばれます。そのことを実感できるのは実は冬場。海水温が下がることでプランクトンが減り、濁りが少なくなるなどの理由によります。海をのぞきこんでみると、エメラルドグリーンと群青色に輝く海の色に驚くことでしょう。


沖ノ島内で見やすい場所としては、北岸の真ん中に位置する入江か、北西の先端部にある洞窟の下(写真上)。北の入江の方は、昔は船着場として利用されていたようで、砂浜と岩場がミックスした小さな湾になっています。私が訪れたときは北風の強い日だったのですが、それでもこの透明度!



もう一つ、洞窟の下もかなり透明度が高いところです。館山湾をぐるりと見晴らせる絶景スポットでもあります。ただし、2018年の台風で削りとられたところがあり、一部ロープが張られています。足元には十分気をつけてください。


沖ノ島のベストタイム×ベストスポット4:春×森の小径=新緑

「森だったら、島の真ん中のバイオトイレから右に折れた道がジャングルっぽくて好きです。よい時期は断然、春の新緑のころですね」


photo by フジイ ミツコ

島全体が森に覆われている沖ノ島。温暖な地域なので常緑の照葉樹が多いかと思いきや、エノキなどの落葉樹もあり、四季の変化が感じられます。木々がやわらかい葉の若芽を出し始める新緑のごろは、森がふんわりと一段明るくなるのでしょう。


また、一年を通じて花がどこかで咲いているのも楽しい、とは竹内さん談。頭上にも足元にもきっとその時々の出会いがあるはず。自然の生き物たちの営みに五感を澄ませてみては?


知っておくと沖ノ島をより楽しめる、5つのポイント!

沖ノ島をより楽しめるポイント1:海水浴シーズン中の沖ノ島はどうなってる? 混雑状況は?

いつもは静かな無人島である沖ノ島も、ハイシーズンの夏休みにはかなり混み合い、もはや有人島!?という様相に変わります。砂浜には例年2つほど海の家が並び、浜の上はカラフルなテントでぎっしり。家族や若いグループが千葉県内や都心から多く来ているようです。2018年の夏は、10年前の3倍にあたる約39,000人もの人が観光に訪れたとのこと。地元の人は混んでいるので敬遠しがちです。


夏休みの海水浴場の開設は、通常海の日からスタート。参考までに2018年は7月14日~8月19日の9:00から16:00まででした。ライフセーバーが常駐して安全管理がされているので、子ども連れの家族にもありがたいですね。



沖ノ島をより楽しめるポイント2:駐車場は夏の土日やお盆には朝の段階で満車になることも。駐車料金は?

500台とめられる広い駐車場があります。夏休みの土日やお盆には、朝の段階で駐車場が満車になるほど混雑することも。とめられたとしても、遠くから歩かなくてはならない場合もあります。


駐車料金は、2018年の夏休み期間は、沖ノ島の環境保全協力金として一人500円が求められました。今年度については館山市のWebサイト等で確認してください。

平成30年度沖ノ島環境保全協力金について(館山市役所 Webサイト)


沖ノ島をより楽しめるポイント3:なぜかGPSが反応しないことが!? アクセスは自衛隊を目指して来よう

初めて沖ノ島へ行ったとき、携帯のナビに従って車を運転して行ったのですが、実際の沖ノ島から5kmほど離れたところに着いたことがありました。その理由は分かりませんが、「沖ノ島を目指してきたのに着かない!」というケースを少し前はよく耳にしました。そういう場合の最終手段として「館山自衛隊 航空基地」を目指してくるとよいと思います。自衛隊の基地を回りこむようにして反時計周りに進んでいった先に、沖ノ島が現れます。


詳しい行き方については、館山市のこちらのページが参考になります。

沖ノ島へのアクセス(館山市役所 Webサイト)


沖ノ島をより楽しめるポイント4:バーベキュー、キャンプはOK?

NGです。海水浴場では肌を露出した人が多く、やけどの恐れがあるためとのこと。ホットプレートなどの電子調理器具や、ガスコンロなどの火気のあるものも使用できません。キャンプも禁止です。多くの人が訪れる場所だということ、自然に負荷をかけない形で保全する場所だということをわきまえて、お楽しみください。


なお、海でのたき火について、館山・南房総の海岸は南房総国定公園内のため、キャンプ場などの許可を得た場所以外で認められていません。火を焚きたい!という方は、魅力的なキャンプ場がいくつもあるのでそちらへぜひ!


沖ノ島をより楽しめるポイント5:周辺での買い出しできるお店は?

おどや館山海岸店

地元スーパーおどやはお惣菜から飲み物まで、なんでもそろいます。ちなみに、会員になると第1、第3日曜日は購入商品がすべて1割引(酒類を除く)。沖ノ島から車で8分。


イオン館山店

お昼ごはんの買い出しや、シュノーケリングや海水浴のグッズをそろえたいなら、やっぱり品揃えの豊富な「イオン館山店」が便利。このあたりではいちばん大きなスーパーで、専門店街にはスポーツショップもあります。沖ノ島から車で15分。


沖ノ島で遊んだあとは…帰り道に立ち寄りたいカフェ

沖ノ島でたっぷり遊んだあとは、温かいコーヒーを飲んでほっこりするのもよさそうです。沖ノ島から富浦ICへ向かうエリアはすてきなカフェが集中するエリアでもあります。


TRAYCLE Market & Coffee:車で5分

CAFE TSUMUGI:車で7分

館山なぎさ食堂:車で7分

SEA DAYS:車で10分

珈琲館サルビア:車で10分

バッドアスコーヒー館山店:車で15分


沖ノ島は、現実とのつながりを少し残しながらも、「島」のリモート感と南国の旅らしさを味わえる穴場です。家族の思い出に、ドライブデートに、あるいは美しい海をただぼーっと眺めに。次のお休みにちょっとだけ遠出したいなと思ったら、都心から2時間でたどり着く楽園・沖ノ島に来てみませんか?



【スポット情報】

名称:沖ノ島公園

所在地:館山市館山1563


【参考リンク】

館山市 観光協会

NPO法人たてやま・海辺の鑑定団(沖ノ島のシュノーケリングスポットが詳しく掲載されています)

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