「道の駅 保田小学校」は、都心から車で1時間半弱ほどの南房総の入口、鋸南町(きょなんまち)にあります。今や全国的に有名な道の駅である保田(ほた)小学校は、トリップアドバイザーの「旅好きが選ぶ! 道の駅ランキング 2018」で、全国8位に。道の駅では珍しく、宿泊や日帰り入浴ができます。小学校に泊まる体験が気軽にできるのは、廃校活用の道の駅ならでは。地元ライターが保田小学校のおすすめポイントをご案内します。
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「道の駅 保田小学校」の特徴は、なんといっても廃校をリノベーションした、泊まることができる道の駅です。保田インターから車で1分という立地のよさも、魅力のひとつ。訪れたのは平日でしたが、観光客や地元ナンバーの車でいっぱいでした。
まずは、保田小学校のおすすめスポットをご案内!
直売所は、元体育館だった建物。天井が高く気持ちがいい
「きょなん楽市」は、保田小学校当時の体育館構造を残したままリノベーションした直売所。道の駅としての敷地面積や品数の豊富さは、地域ナンバーワンなのだそう。野菜や花といった農産物は、すべて保田小学校のある鋸南町の生産者や企業のみの取り扱い、という徹底ぶり。
旬の野菜もフルーツも、リーズナブルです。観光のしめくくりに、野菜やお花を購入し帰っていく観光客も多いのだとか。
10室が同じスタイルの部屋(2~4名)。2室が大部屋(5~15名)
小学校に泊まるって、その言葉だけでワクワク。教室をそのまま利用しリノベーションした客室は、シックな雰囲気。黒板やロッカーなどを、教室の状態でキープしてあり、モダンとノスタルジーが調和しています。
窓の向こうには、17時から宿泊者専用の共有スペースになる「まちの縁側」があります。直売所には地酒も豊富なので、大人の夜を過ごすのもアリです。
向かって右側が宿泊施設である教室。教室の扉からこの縁側へ直接出入りすることができます
見てください、この解放感! 私一押しの場所といえば、「まちの縁側」。とても解放感のあふれる場所で、長い縁側が続きます。日当たりがとてもよく、冬でも暖かいので、日向ぼっこに最適です。外を見ると視線の先には山が広がり、見晴らしもいい。
1階のカフェでコーヒーを購入し、保田小学校で使われていた椅子に座り、気ままに過ごすのが私のお気に入り。絵本が置いてあり、小さな子ども用のおもちゃもあります。無料Wi-Fiもつながるので、大人も子どもも一日中居座りたいくらい、居心地がいい。
あちこちに、遊びを利かせた小学校のおもかげが残っているので、探して楽しんでいる観光客も多い。とくに人気なのは…、後半で。
壁の部分は迷路のような作りのジャングルジム。ひたすら登ったり下りたり、丸い部分で本を読んだり
子連れに大人気のスポットといえば、「こどもひろば」。無料で利用できます。雨の日の遊び場として、地元ファミリーにも人気です。授乳室があるので、赤ちゃんと一緒のママも安心。
パンフレットが豊富、タッチパネルの観光案内で調べることも可能
東京方面から観光に来た際、南房総のゲートウェイとなる鋸南町。この場所から旅を始めてほしいと、コンシェルジュ(有人の観光案内所)があり「いちご狩りがしたい!」などの相談にも対応しています。
犬用のリードホックホルダーがあり、ペット連れ観光客にも人気
校舎の前にある「里のはらっぱ」。ときにイベント広場にもなる原っぱのまわりには、テーブル席があり、直売所のお弁当で外ランチや、ドライブの気分転換にも便利です。気軽に外遊びできる場所は、子連れ旅にはうれしい(冬季は芝生養生のため立ち入り禁止)。
保田小学校には、迷ってしまうほど豊富な種類のお土産を販売しています。地元民ならこれを買う! という目線で、おすすめの自分用土産を厳選しました。
生産者の名前入りで、価格も生産者が決めるそう。このボリュームで150円
2月中旬のきょなん楽市には、ずらっと地域名産の食用ナバナが並んでいました。保田小学校内の直売所で扱う野菜と花は、鋸南町の生産者のみと取引をしているのだそう。生産者の名前が入っている地域の旬野菜を目当てに、地元客が多く訪れるのも納得です。
日本一の出荷量を誇る、安房地域のナバナ。パスタの具にも、おひたしにも、主張しすぎないほろ苦さが、春の訪れを感じさせる一品です。取材にうかがいながらも、思わず購入。
「松喜(まつき)肉店」炙りチャーシュー丼 500円
地元の手作り弁当や総菜も豊富な保田小学校。きょなん楽市では、地元人気店のお弁当やパンなどが、毎日入荷されています。その中でも私のイチオシは、炙りチャーシュー丼。ボリューム満点で、炙った肉が香ばしく、食べ盛りの子どもにも人気です。
愛らしいキャラで話題の、2018年4月にオープンしたご当地ビール「鋸南麦酒」。何種類かある中で、保田小学校でいちばん人気は、きょなんゴールデンエール。お米入りのクラフトビールです。エールらしい芳醇な味わいで、ビール好きな方におすすめ!
鋸南町で有名な中国料理店の支店「3年B組」。中華風定食のほか、麺類が豊富です。とくに大好きなのが、店頭販売されている「手羽先」。おつまみによし、夕飯の一品によし、小腹がすいたときにもよし。カリッとジューシーで一本100円。何本でも食べたくなるおいしさです。
保田小学校時代からある、二宮金次郎の横にあるカフェのソフトクリーム
道の駅といったら、まずはソフトクリームという方も多いと思います。初めて訪れる道の駅では外せません。「cafe 金次郎」のソフトクリームは、館山市にある有名な牧場、須藤牧場の牛乳が使用されています。濃厚なのに、あとあじさっぱりなソフトクリームです。
毎日多数の商品を目にしている保田小学校スタッフの方々なら、さぞや目が肥えていらっしゃることでしょう。ということで、スタッフの方々がリピート買いしている商品をこっそり教えていただきました!
保田小学校でも、常に上位をキープしているという人気お土産のひとつ、「保田小 かりんとう」。小学校を感じさせる袋から、“いかにも”なお土産もの!?と思うなかれ。スタッフの方々も大好きで、「お茶菓子ならこれだね」という定番商品です。
捕鯨(ほげい)発祥の地、鋸南町。くじら商品が多く並ぶ中、店員さんに圧倒的人気だったのが「鯨ハム」です。「お酒のあてに、最高!」とのこと、お酒好きな方へのおみやげにいかが?
こっそりとうかがったはずが、顔出しOKと取材慣れした店員の方。さすがメディアでも人気の保田小学校
大正9年創業の、地元菓子店「菊香堂(きっかどう)」のメロンパンと、にぎり幕の内がリーズナブルでおすすめとのこと。パンやおにぎりは、車の中でも食べることができるので、移動中の車内でも便利です。
女性スタッフに大人気だったのが「ラー油きくらげ」。地元の商店が卸しているそうで、一見、保田小学校土産!?と思ってしまいましたが、隠れた人気商品なんだそうです。おにぎりに入れてもよし、おつまみに購入する方もいるのだとか。
保田小学校オリジナル、純米吟醸酒「しぼりたて 生原酒」
保田小学校スタッフさん、お酒好きが多いのでしょうか。お米がおいしい土地柄なのか、地酒をリピ買いしている方が多いようです。また、鋸南町の特産品でもある「地すべり米」のみを醸造した純米吟醸酒「鋸南町」も人気なんだとか。
ランチメニューが充実している保田小学校。校舎内に地元で愛されるお店がギュッと詰まっていて、どこで食べようか迷うのもまた楽しい。私がおすすめする保田小学校グルメはこちら!
直売所野菜を使用したその名も「チョクバイージョ」。旬の鋸南産ナバナがたっぷり
房州石窯で焼く本格ピザで人気の「Da Pe GONZO(ダ・ペ・ゴンゾー)」。趣向を凝らした旬素材メニューが気軽に楽しめるビザ屋です。メニュー名がどれもキャッチーでユニーク。
旧保田小学校の敷地にあったという、今はもう取ることができない貴重な「房州石(ぼうしゅういし)」。耐熱性や保温性が抜群な房州石を用いたピザ窯はスタッフが自作したものです。店内の黒板には、チョークでかわいく装飾してあり、年に何度かイラストが変わるそう。ポップで都会的なエッセンスの店内は居心地がよく、ファミリーや首都圏からのリピーターも多いそうです。
本店は鋸山の向こう側、金谷(かなや)にある人気店。同じ味が食べられると好評です。保田小学校オリジナルメニューもあるので、要チェック! この記事を読んでくれた方にこっそりお教えすると、お茶タイムにピザという使い方もできるんです。その日の店内の込み具合や在庫状況に応じて、デザートピザを作ることができる日もあるそうなので、店長に直接聞いてみて!
小学校の思い出といえば、給食! 世代によって定番メニューがそれぞれで、話のネタになることもありませんか。保田小学校の各店では、趣向を凝らしたオリジナル給食を食べることができます。
数ある給食の中でいちばん人気なのが、自分用土産5選にも登場した「cafe金次郎」での給食なのだそう。懐かしのメニューを召し上がれ。
菜の花とシラスのおにぎりは、地元の人気カフェ「Cafe海遊魚」のもの
保田小学校にしか卸していないという、地元の人気カフェの限定メニューや、限定弁当など、種類も趣向も豊かな軽食類がそろっているので、直売所で購入するのもおすすめです。和菓子や、洋菓子も名店ぞろいなので、甘党のみなさん、迷うこと必至です。
「道の駅 保田小学校」の顔といえば、校長(駅長)の大塚克也さん。校長に保田小学校のアツいポイント、ベスト3をうかがいました。
校長先生のひとこと:イベントが豊富! 保田小学校に来れば、なにか楽しいことをやっています。
保田小文化祭2018
確かに、毎朝8時45分のラジオ体操から始まる保田小学校の一日。FacebookなどSNSでイベントの情報発信がされ、観光客はもちろんのこと、地元民の間でも盛り上がっています。開校記念イベントや、海や里の幸が集結するイベント、各種ワークショップなど年間通して盛りだくさんです。
校長先生のひとこと:“インスタ映え”間違いなし、のスポットが多数あります!
トイレ休憩にもおすすめの、映えスポット「夜の校舎」
ライトアップされた「夜の校舎」は、日中と違う雰囲気があります。そのほか、定番の「顔はめパネル」、学校といえばアルアルの「二宮金次郎」などなど、映えスポットがたくさん。
おすすめスポット3にも登場した「まちの縁側」には、懐かしの給食を運んでくるカートや食器類に、ピアノなど、小学校にあるものがギュッとつまっています。その中でも人気なのが、平均台です。子どもはもちろん、はしゃぐ大人も続出!
細部まで遊び心たくさんに設計されているので、ほかにも探してみて!
校長先生のひとこと:小学校のおもかげをあちこちに残しています。ノスタルジックな気分に浸れますよ。
小学校内廊下。ランドセルを背負いSNSに投稿する方続出!
小学校は、誰しもが通り過ぎた記憶の奥にある場所。ノスタルジックと田舎のおいしいもの、そして小学校に宿泊する非日常の体験が一体となった、「道の駅 保田小学校」。郷愁にプラスして、きれいなトイレや、授乳室におむつ替えコーナー、子どもの遊び場もあり、子どもにもママにも優しい場所です。
高速道路上にも「道の駅 保田小学校」の看板があるので、気になっていた方も多いかも。都心から1時間強でアクセス可能な保田小学校は、ETC2.0を搭載した車なら、乗り直し料金もなく立ち寄れる、全国的にも数少ない道の駅です。
ぶらっと立ち寄りも、宿泊してがっつり施設を楽しむのもアリ。教室を使った同窓会や研究合宿もあるのだとか。予約をすれば音楽室や、キッチンも利用できます。
鋸南町は水仙や桜の名所。見どころも徒歩圏内なので、保田小学校から南房総の扉を開けてみませんか。
【施設情報】
施設名:都市交流施設 道の駅 保田小学校
営業時間:9:00~18:00
定休日:なし
所在地:千葉県安房郡鋸南町保田724
駐車場:第一、第二駐車場あり
Facebook:https://www.facebook.com/hotasho.jp/
TEL:0470-29-5530
【店舗情報】
Da Pe GONZO
平日営業時間:11:00~15:30(L.O15:00)
土日祝営業時間:11:00~18:00(L.O17:30)
定休日:水曜日
Facebook:https://www.facebook.com/DaPeGONZO/
cafe金次郎
営業時間:9:30~17:30(L.O17:00)
定休日:水曜日
中国料理3年B組
平日営業時間:11:00~16:00(L.O15:30)
土日祝営業時間:10:00~17:00(L.O16:30)
定休日:木曜日