手作り寒天のあんみつをファイヤーキングの器で。海女さんが営むカフェ/

ストロベリーポット (南房総市)

公開日: 2019年02月07日

千倉町忽戸(こっと)。国道410号線、通称「房総フラワーライン」沿いに「海の見えるカフェstrawberrypot(ストロベリーポット)」はあります。看板メニューは、手作り寒天がたっぷり入ったクリームあんみつ。あんみつの器は、ヴィンテージ好きにはおなじみのファイヤーキング。この特別なクリームあんみつを求めて、地元の人から東京や神奈川まで、など遠方から訪れるお客が多くいます。不思議ですてきなバランス感覚のひみつを探るべく、ストロベリーポットへ行ってきました。


寒天は採るところから。食べずにはいられない一皿

外房の海を広く見渡せ、潮風香る場所にたたずむストロベリーポット。ここに来たらなんといっても冒頭の画像、クリームあんみつです。活気あふれる夏には海水浴やサーフィン、SUPなどのマリンスポーツで存分に楽しんだあと、帰路につく前のひと休みのため、ストロベリーポットのクリームあんみつを求めて訪れるのが恒例になっているというお客が多くいるそうです。私は冬のアイスクリームも大好き。だから冬場のクリームあんみつだってたまりません。


ストロベリーポットに来たのなら食べずにはいられないクリームあんみつ。クリームあんみつと言えば一般的に寒天が入っていますが、ストロベリーポットの寒天は、よそのクリームあんみつの寒天とは大きく異なる点があります。なんと店主である鈴木さんみずから海へ潜って天草を採り、干して、煮出して、寒天を作っているのです。じつは鈴木さんは海女(あま)さん。手間暇かけられた寒天が、ストロベリーポットの看板メニュー、クリームあんみつでは味わうことができます。歯を入れたときのコリコリとした食感は、手作り寒天ならではのもの。今回もオーダーしてよかった…!という気持ちになります。



伝統をなくしたくない、その思いで

鈴木さんはカフェを営むかたわら、海女業と、それから青海苔の製造も行っています。もともとはお母さまが海女であり青海苔製造もしていたのだそうですが、ある時期にその二つを鈴木さんが引き継ぐ決意をしました。千倉周辺はもともと海女漁が盛んな地域でした。それが、海女業、青海苔製造業ともに高齢化が進み、跡を継ぐ若者がいなくなってきています。伝統を終わらせてはいけないという思いが鈴木さんの心を後押ししたのだそうです。カフェに海女に青海苔製造。なかなか大変そうに思われますが、鈴木さんはそれぞれを楽しみながらやっていると話します。


また、カフェ、海女業、青海苔製造それぞれでの人とのつながりや出会いが、さらにそれぞれへつながり広がっていっていると話してくれました。ちなみに、鈴木さんの青海苔は、安房エリアだと南房総市千倉町牧田にある「ピザインディーズ」のメニューに使われています。


ファイヤーキングでちょっとコーヒーでも

もともとは、カフェを営業するつもりはなかった鈴木さん。きっかけとなったのは、ファイヤーキングでした。ファイヤーキングとは、アメリカ生まれの耐熱ミルクガラスブランドのこと。製造終了から40年以上が経過した現在もコアなファンが収集していて、アメリカンヴィンテージ好きならおなじみのブランドです。



鈴木さんもまたアメリカンヴィンテージ好きのひとり。ファイヤーキングに目を留め、ファイヤーキングの通信販売をスタート。そのうち現在の場所に実店舗を構えるようになり、さらにはファイヤーキングでコーヒーでも、という考えから現在のカフェの形につながっていったそう。ファイヤーキングはカフェメニューの器として使用されていて、店内のガラス棚にディスプレイされている器は購入もできます。


空間も、雑貨も、野菜も。手作りがキホンの暮らし


看板メニューにもつかう寒天を、天草を採るところから作っている鈴木さんですが、ストロベリーポット店内にはまだまだ手作りがあふれています。昔から自分で何かを作ること生みだしていくことが好きだったそう。コースターやペンケース、ペンダントやネックレスなどのアクセサリー類なども店内で販売しています。


さらにはキャベツ、白菜、メロンなど、カフェで提供する料理で使う野菜を、できる範囲でお店の裏にある畑で作っています。「モノ作りは自分で好きなようにアレンジしたり作ったりできるし、野菜は自分の手で育てていくので安心できる」と語ります。ハンドメイド作品も、ほっと一息つける空間を作り上げるDIYも、自給自足の野菜作りも、作らなきゃ、というよりは、作りたい、という気持ちから。日々の暮らしの中で手作りが基本となっている鈴木さんの愛とこだわりが、ストロベリーポットにはたくさんあふれているのです。



気づいたら長居していた、と言われる空間に

「長居してしまってすみません」と言われることもあるそうですが、むしろ、思わず長居してしまった、気がついたら時間が経っていたと感じてもらえる空間になってもらえたらうれしい、と鈴木さんは話します。



店名の「ストロベリーポット」とはイチゴ栽培用の容器で、外側にあるいくつかのポケットにイチゴの実がなるように植える鉢のこと。そのストロベリーポットになるイチゴの実のように、小さな幸せがたくさん実るようにという鈴木さんの願いが、この店名には込められているのです。



たくさんの“手作り”とこだわりと、ファイヤーキングへの愛にあふれた場所、ストロベリーポット。お店に入るとまずは明るい笑顔の店主が出迎えてくれます。



【店舗情報】

店舗名:海の見えるカフェstrawberrypot

営業時間:10:00~18:00

定休日:火曜日

所在地:千葉県南房総市千倉町忽戸549-1

駐車場:3台

Web:http://www.strawberrypot.com/

TEL:0470-44-5552

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