週末の夜、築100年の空間で映画を観てみない? 10席だけの小さな映画館へ/

TRAYCLE CINEMA (館山市)

公開日: 2019年01月17日

安房エリアには、大きな映画館がありません。その代わり、ここでしか味わうことができない映画館があります。海辺に建つ白い洋風の建物は、大正期に銀行の支店として鴨川市内に建てられ、昭和5年ころ、現在の場所に移築されたといわれています。国登録有形文化財として登録されているこの建物が、安房エリア外にもファンの多いカフェ「TRAYCLE Market & Coffee(トレイクルマーケット&コーヒー)」であり、今回紹介する「TRAYCLE CINEMA (トレイクルシネマ)」です。


昼間はカフェ。土曜の夜は映画館に変身!

館山の築港近くにあるトレイクルマーケットは、フェアトレード商品の販売と、手作りのおからマフィンが味わえるカフェとして知られています。


フェアトレードとは、「開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す『貿易のしくみ』」(フェアトレードジャパンより)のことを言います。



トレイクルマーケットで提供しているコーヒーは、すべてフェアトレード商品。その豆を、ステンレスフィルターを使い、一杯ずつハンドドリップで淹れています。紙のフィルターを使うと、オイルや雑味が紙に吸い取られることによってすっきりとした味になるそうです。一方、ステンレスのフィルターは味も香りもしっかりとしたコーヒーを淹れることができ、オーナーの知識(ちしき)さん夫婦好みの味に仕上がるのだそうです。使い捨てフィルターではない点も、トレイクルマーケットらしい選択です。


そんなこだわりのコーヒーと、手作りお菓子がセットでついてくるトレイクルシネマは、10席だけの小さな小さな映画館。港の気配を感じながら、コーヒーの香りに包まれた築100年の建物で、映画を楽しむことができるのです。


トレイクルシネマの料金は1人1,500円(飲物とお菓子付)、Webか店舗、電話での予約制


価値観が変わる瞬間が、トレイクルシネマで生まれているかも?

「カフェをやりたいのではなく、フェアトレードを扱った店をやりたいというのが、最初にあった」。そう話してくれたのは、奥さんの絵理子さん。商品を売って、「おいしいね」や「かわいいね」だけで終わるのではなく、その商品がどこでどのようにして作られたものなのかを考えていただくきっかけとなれたら、と言う彼女。


店内の壁には、イベントや、上映についての情報を掲示しているコーナーがある

知識さん夫婦にトレイクルシネマのきっかけを与えてくれたのは、映画『ザ・トゥルー・コスト』です。トレイクルマーケットでフェアトレード商品を扱っているのはなぜか。そして普段私たちが何気なく口にしているもの、着ているもの、使っているものは、どこで生産されてどのようにやってくるのか――。この映画を観たとき、本質的なことを深く知りたい人たちに自分が説明するよりも、トレイクルシネマとして上映して観てもらったほうがわかりやすいのではと考えたのだそうです。この映画は、トレイクルシネマ第一回目の上映作品であり、店のオープン記念の際に、無料上映会を行った作品でもあります。


1階で上映の受付とオーダーを行い、2階の座席を案内してもらうシステム

トレイクルシネマでの上映作品を選ぶポイントは、「ちょっとだけ価値観が変わるような映画」。映画を観たあと、明日からの生活や、ものごとの見方が変わるようなものを選んでいるのだとか。


思い立って10年以上を経て実現した、フェアトレードの店と彼女の夢

絵理子さんには、価値観が変わる体験があったそうです。それは、学生として6年半ほど過ごしたNY(ニューヨーク)での生活と、当時出会った人たちでした。


NYの大学には、いろいろな国から、さまざまな事情を背負いながら通っている人たちがいました。それは、彼女が日本で育ってきた環境とはまったく違う世界。中には、レストランで働いたチップで、家族全員を養いながら大学に通っている人もいたとか。



NYでの暮らしを通して、日本の恵まれた環境下で暮らしていたことを改めて認識した絵理子さんは「幸せな暮らしを循環させる仕事がしたい」と、強く思ったのです。


トレイクルマーケットのチャレンジ

2018年の12月で2周年を迎えるトレイクルマーケットは、新しいことに挑戦する気持ちを忘れません。今年の挑戦は、「海洋汚染問題削減プロジェクト」の実行。第一歩として、店内のストローを紙ストローに替え、テイクアウトの容器を失くすためにリユースできるカップやストローの販売と、海に優しい洗剤の販売を始めました。マフィン以外のランチもやってほしいと言うお客様の声をキャッチして、ベジランチもスタートしています。



「店に来るたびに新しいわくわくを味わってもらえるようにするのが、自分たちの喜び」と断言する知識さん夫婦。都内で働いていたときは、大きな会社でお客様が遠かったそうです。今は、がんばれば、喜ぶお客様の顔が目の前で見られることが幸せだと、笑顔で話してくれました。



明日からの生活や、物事の見方がちょっと変わるような映画を吟味して、トレイクルシネマとして夜の時間を気持ちよく過ごせるように場を整えている2人。安房に遊びに来て、渋滞のなかを帰りたくないなと思ったら。夜の映画館、トレイクルシネマを訪れるのはいかがでしょう? 映画の余韻を味わいながら見る帰りの景色は、行きとは違って見えるかもしれませんよ。


【店舗情報】

店舗名:TRAYCLE CINEMA (トレイクル シネマ)

営業時間:毎週土曜日19:00~ ※要スケジュール確認・予約制

所在地:千葉県館山市館山95-70 TRAYCLE Market & Coffee 2階

駐車場:4台

    ※駐車場が満車の際は隣のセントラルスポーツ裏の砂利スペース駐車場使用可

Web:http://trayclemarket.com/

   https://www.facebook.com/trayclemarket/ (Facebook)

   https://www.instagram.com/trayclemarket/ (Instagram)

TEL:0470-49-4688

備考:臨時休業や、祝日の営業などはFacebook、Instagramで配信

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