佐久間ダム公園に今年もあのお店が。季節の巡りを感じさせる期間限定カフェ/

藁珈琲洞のアトリエtsugihagi (鋸南町)

公開日: 2019年01月07日

鋸山(のこぎりやま)の南側にある鋸南(きょなん)町は、水仙と桜の名所として知られている佐久間ダムを有する町です。佐久間ダム湖親水公園内では、水仙から梅、梅から桜へと移り行く花の景色を楽しむことができます。


毎年、水仙咲くころから桜散るころまでの季節限定で、佐久間ダム湖親水公園内にオープンするカフェ「アトリエtsugihagi(つぎはぎ)」。もともと集会所だった場所を、コーヒーの焙煎工房として、生田(いくた)夫妻が改修しました。


ふだんは、各地で開催されるイベントに「藁珈琲洞(わらこーひーどう)」として出店している2人。廃材などをツギハギして作られた彼らの仕事場が、今年もオープンする季節になりました。


地のもの、顔が見えるオーガニック素材を使った料理

料理とお菓子を担当するのは、奥さんのつかささん。店をやっていない時期も、藁珈琲洞として季節のおいしいものを手作りしている彼女。地元の素材、友人・知人が作っている素材を使用して、レシピを考えているそうです。



ランチメニューは「ごはんランチ」と「パンランチ」の2種類で、私は「ごはんランチ」をオーダー。出てきたごはんには、黄色い小さなつぶつぶのモチキビが入っていました。ごはんだけを口に含んでみたら、甘味が強くておいしい! この日のお米は「南風農場」のフサオトメ。野菜は「やぎ農園」。どちらも南房総で名の知られた、安心な食材を提供している農家さんです。ごはんの甘味は、切り干し大根を入れることで引き出されているのだとか。これはぜひ、自宅でも試してみたいです。


サツマイモサラダに乗っていた擦りおろしニンジンがあまりにもおいしかったので、これは何かと尋ねたら、手作りのニンジンドレッシングとのことでした。ビン詰めされたドレッシングが、ショーケースの中で販売されています。


鋸南町のクラフトビール「鋸南麦酒」。ラインナップのひとつである黒いラベルの「Tokyo Bay Porter」は藁珈琲洞の自家焙煎コーヒー使用

ランチもお菓子もテイクアウトできるので、佐久間ダム公園内で花を愛でながらのピクニックが可能。「鋸南麦酒」の黒ビールも販売しています。これは、藁珈琲洞のコーヒーを、ビール用に調合して作られたビールだそうです。


私のお気に入りは、熟す前のみかんか柚子を使ったジャムを、クッキーでサンドしたお菓子。甘すぎず、少し酸味のあるジャムと、ほどよく塩気の効いたクッキーのコラボレーションが最高で、秋口になるといつも食べたくなる一品です。


コーヒーが飲めない俳優から、藁珈琲洞店主への転身

ご主人の茂之さんは元俳優。コーヒーは飲めないけれど、喫茶店の雰囲気は大好きでした。俳優の仕事をしていたあるとき、脚本家兼主演として、コーヒーにまつわる映画をつくることになり、勉強のためコーヒー塾に行ってみることにしました。いつもは、コーヒーを飲むと蕁麻疹ができてしまう茂之さん。出されたコーヒーをイチかバチかで飲んでみたら、素直においしかったそうです。もちろん、蕁麻疹も出ず、逆に調子がいいくらい。


茂之さんが好きな映画『ペーパー・ムーン』から取った、新コーナーが登場

提供されたコーヒーが入っていた紙コップを持ち帰り、部屋に置いて眠ると、翌朝部屋はコーヒーのよい香りに満たされていたそうです。この体験を機に、香りが残る焙煎方法と抽出技術を学ぶことに。その後、俳優業をやめて、ストローベイルハウス(藁のブロックを使った藁の家)を推進するNPO法人へ転職。余興でコーヒーを淹れているうちに、コーヒーのほうが人気になっていったとか。なるほど、藁珈琲洞の「ワラ」は、ストローベイルの藁からきていたのですね!


コーヒー豆も、訪れた人も、手をつないで一つになれる場所

茂之さんは、シングルではなくブレンドコーヒーにこだわっていると言います。その土地土地で育った豆たちが、手をつないで混ざり合うブレンドコーヒー。藁珈琲洞では、「その日の一番」をブレンドして出しています。前夜に焙煎し、その日の朝にブレンドを行う、今日だけのコーヒーです。


コーヒーには、アーモンドを練り込んだお菓子が付いてきます

つかささんが初めて藁珈琲洞のコーヒーを飲んだとき、特別においしい! という感動があったわけではありませんでした。でも、普通に飲んで帰宅したあと、コーヒーの余韻がずっと残り続けていたそうです。2人をつないでくれたのも、藁珈琲洞のコーヒーでした。


アトリエtsugihagiは、足りないモノや欠けているモノを補い合って、みんなで一つになれる場所。この日アトリエを訪れた人たちも、温かく迎えてくれる生田夫妻との会話を楽しみ、知らないお客同士も、最後は一緒に笑える空間になっていました。



「こんなごはんを毎日食べたい!」と話すお客の声が聞こえてきました。アトリエtsugihagiでは、特別な日の特別なごはんではなく、毎日食べたくなる日常のごはんを提供しているのです。



今日のためにブレンドされたコーヒーと、季節のおいしいものを味わいに、花に囲まれた佐久間ダムへ足を運んでみませんか?


【店舗情報】

店舗名:藁珈琲洞(わらこーひーどう)のアトリエtsugihagi(つぎはぎ)

営業時間:11:00~16:00頃(変更あり)

定休日:水・木 ※12月の水仙咲くころ~4月の桜散るころまでの季節限定店舗

所在地:千葉県安房郡鋸南町大崩48-1

駐車場:2台 ※公園内にも別途駐車場あり

TEL:0470-55-0665

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